2025.02.13 01:40中国茶とおかゆ 奥泉/僕らの新しいローカリズムDEAN&DELUCA「僕らの新しいローカリズム」北海道の美瑛・東川編の「中国茶とおかゆ 奥泉」がアップされました。「20〜25年くらい前、中国茶がブームになった時がありましたよね?」と奥泉さんがおっしゃって、記憶を辿ると、あったあった!こんな私でも原宿に中国茶を飲みに行って、小さ過ぎる急須にはしゃいだ時期がありました。忘れてしまった私や多くの人と違って、奥泉さんはどんどん深き中国茶の森に入り込んだのだなぁ。中国の山岳地帯まで行ってしまったのだから。深き森の奥に斎藤さんがいてよかった。斎藤さんのおかゆ、未体験ゾーンのテクスチャーに心底びっくりしました。このお茶にはこのおかゆ、ですね。#中国茶とおかゆ奥泉 #奥泉 #東川 #東川町 #僕らの新しい...
2025.01.14 06:23ヴレ/僕らの新しいローカリズム今月から、DEAN&DELUCA「僕らの新しいローカリズム」では北海道の美瑛・東川編が始まりました。移住する人だけでなく、東京のシェフたちも行ったり来たりしていると聞いて、とても気になっていた町。行ってみたら、おおらかな自然と、都市のカルチャーが混ざり合う町でした。人口8600人。ちなみに、アキ・カウリスマキが建てた映画館のある村が9000人。この規模感、ちょうどいいのかもしれない。第一弾は東川のレストラン「ヴレ」です。広島生まれの村上シェフが東川に惹かれた理由の一つは、政治家でもない人々が酒場で、「この町をどうしていくか」と話す光景に立ち会ったことでした。自分たちの町。小さな声も届く町。なんて風通しのいい町なんだろう。#ヴレ #東川 #東川町...
2024.12.16 07:18オカズデザイン/僕らの新しいローカリズム2024年最後の満月に、「僕らの新しいローカリズム」蒜山編の最終回が公開されました。東京と蒜山の2拠点生活を実践する、オカズデザインの吉岡秀治さん、知子さん夫妻。蒜山の森とともに在る日々はインプット、それを東京でみんなと共有する役割はアウトプット。お二人はそれを「呼吸」と表現しました。彼らと同時期に、家と工房を建て蒜山の人となったのは、陶芸家の堀 仁憲(かずのり)さん、金工作家のさかのゆきさん夫妻。蒜山に住むと決めたのは、蒜山耕藝へ遊びに行って、お風呂に入ったときでした。「飲んでも美味しい山の水を、全身に浴びたときの気持ちよさ!」もう、この言葉の説得力ったらない。たまりません。蒜山という、まあるい山に囲まれた不思議な土地に引き寄せられた人々を、6回にわ...
2024.11.18 03:07小屋束豆腐店/僕らの新しいローカリズム『 蒜山耕藝』がい営むカフェ『くど』で、松井さんを紹介されたのは9年前。「もうすぐ移住する豆腐職人がいるんです」岡山の丸い山々に囲まれた蒜山で、今どき「豆腐職人」というワードも新鮮だったが、現れたのが1985年生まれのニット帽を被った女性、というフレッシュなビジュアルも想定外。そんなお話から始まる、今回の『小屋束豆腐店』。あらためて訪れると、彼女はお母さんになり、豆腐職人の顔になっていました。地釜と、蒜山の薪の火でつくるお豆腐です。大豆を釜で温めているときは、工房にふっくらとした香りが満たされて、しあわせーな気持ちになりました。#僕らの新しいローカリズム #蒜山 #小屋束豆腐店 #豆腐
2024.10.22 05:19蒜山耕藝/僕らの新しいローカリズム5月の、水を引いた田んぼは鏡のように美しいですね。2011年、岡山・蒜山へ高谷裕治さん・絵里香さん夫妻が移り住んだことから、美しくも過疎化が進むこの里山に「動き」が生まれました。二人は「蒜山耕藝(ひるぜんこうげい)」という屋号を掲げ、自然栽培で米や豆、野菜などを育てます。その作物を使って、醤油や味噌などの調味料、白玉粉やきなこといったほっとするおやつの材料などのプロダクトを作ります。2014年12月にはカフェ「くど」を開店。すると、彼らのナチュラルな暮らしや人柄、蒜山の水や風景に惹かれて、ものづくりに携わる人々が集まり始めました。器、帽子、伝統工芸、絵画、ライブ……。「蒜山耕藝」のインスタグラムを眺めると、しょっちゅう素敵なイベントが催され、楽しそうで...
2024.09.17 23:12イルリコッターロ/僕らの新しいローカリズム「僕はリコッタをつくりたいから、チーズをつくるんです」おもしろいことをいう人だなぁと思った。なぜならリコッタとは、主役のチーズをつくる際に出るホエー(乳清)をricotta(再加熱)してつくられる副産物。いわば“おまけ”のほうを、彼は主役に据えているのだから。でも、そういえば工房の名はIl Rcottaro=リコッタをつくる人、だ。(本文より抜粋)なぜ、リコッタチーズなのだろう?チーズ職人・竹内雄一郎さんの言葉を紐解いていくと、歴史、民俗、郷土、自然、環境といった広い視野をもった彼の答えが「リコッタ」であり、心が「今、ここ」を指したのだと感じます。たったひとりの工房ですが、竹内さんのチーズは日本全国のファンに届いています。
2024.08.20 09:44蒜山醸造所 つちとみず/僕らの新しいローカリズム蒜山編の第2回は、野生酵母でビールを醸す「蒜山醸造所 つちとみず」です。蒜山の人々から「すぎちゃん」と呼ばれ愛される醸造家は、48歳で公務員からの転身でした。余談ですが、工房の片隅に、親しい友人の名前と正の字が書き込まれたメモを発見。たぶんご近所仲間が、杉さんが留守の時にビールを買い、買った分だけ本数を書き込む自己申告のメモ。おおらかな蒜山の暮らし、いいなぁ。
2024.07.23 00:58清らかな鰻/蒜山 鰻専門店 翏DEAN&DELUCA WEB「僕らの新しいローカリズム」、第2弾「蒜山(ひるぜん)」編がスタートしました!岡山県の、きわめて鳥取近く。丸い山にさまざまな樹木が茂り、川が川のままに蛇行して流れる、地元の人が「なんでもない」と言う里山です。ここに、しかし、とてつもなく魅力的な人々が集まり始めたのが気になっていました。自然栽培の生産者、豆腐職人、チーズ職人、ビール醸造家、料理家、金工作家に陶芸家、そして鰻職人も。彼らのローカリズムを、今月から6回(月1回満月更新)にわたってお伝えします。第1回は「蒜山 鰻専門店 翏(りょう)」。2013年に中目黒でオープンしたときから、店主の村田翏さんはインディペンデントな鰻職人でした。元バンドマンですが、鰻専門店...
2024.06.28 02:51自由が尊重される豚/あかり農場DEAN&DELUCAのウェブ連載「僕らの新しいローカリズム」。函館編は、いよいよラストのつくり手を迎えました。養豚の「あかり農場」。泥んこになって遊ぶ豚たちの表情を見てください。彼らは地元の食材から作られる餌を食べ、好きなように動き回って、ゆっくりと育ちます。いずれ人の口に入るけれど、その時まで自由な生を謳歌する。人間でも動物でも、生きとし生けるものにとって自由とは尊厳だと、私は思っています。「あかり農場」の山田さん一家の暮らしぶりを少しですが垣間見て、東京へ帰っても、「満ち足りる」という言葉が頭から離れませんでした。自分の好きなこと、自分に必要なもの、それらの分量がわかっていること。家族が食べるものを家族でまかないながらも、家族だけで完結す...
2024.05.23 02:03“おいしいパン”じゃなくていい/おおば製パン今夜の満月はフラワームーンだそうです。この日に公開された、DEAN&DELUCA WEB『僕らの新しいローカリズム』函館編08は、森町の「おおば製パン」。名の通り森に恵まれた土地で、パン職人の大場隆裕さんは古い製法のパンを焼いています。粉と水を混ぜて寝かせた発酵種を使い、乳酸菌の働きによるフレッシュな酸味が特徴です。不思議なことに、焼きたてよりもむしろ日が経つごとに落ち着いていく、ごはんのようにしみじみとした味わい。大場さんの言葉が印象的でした。「“おいしいパン”じゃなくていいんです。つくりたいのは、ひと口でおいしい!と感じるグルメ的なものではなく、原点のようなパン」彼は「本場そのもの」というよりも、「原点」「自然」「本質」といった場所を目指し...
2024.04.24 23:02幸福な山羊たちのチーズ/山田農場チーズ工房DEAN&DELUCA WEBでの連載「僕らの新しいローカリズム」。函館編の第8回は、山田農場チーズ工房です。山の斜面で山羊や羊を育て、ついにはブドウまで育ててしまっている山田圭介さん、あゆみさん夫妻。お二人を訪ねるのはこれで何度目になるのかな。会うと、いつも気づきをくださる方々です。連載開始にあたり、私たちが函館のつくり手たちによるつながりに注目したのも、圭介さんのひと言がきっかけでした。「僕らはみんなで、一つの食卓をつくっている」きっかけであり、取材を重ねるうえで折りに触れ立ち返る、指針となってくれた言葉でした。もうすぐ5月3日に発売される、DEAN & DELUCA MAGAZINE ISSUE09 でも山田農場チーズ工...
2024.03.26 11:23料理人の感動を、更新し続ける/清和の丘農園DEAN&DELUCAのウェブ連載「僕らの新しいローカリズム」。函館編の第6回は、「清和の丘農園」です。函館のレストラン「コルツ」をはじめ、さまざまな料理人に信頼されている野菜・ハーブ・米の生産者。ちょっと変わり者の山本さんと、やわらかでも芯の強い橋本さん、二人のユニット。彼らの生産物は、つくる人に似ています。函館とその近郊のコミュニテイが輝いているのは、刺激し、尊敬し合える関係があるから。生産者は「シェフが待っている」と畑に立ち、料理人は「どうしてほしい?」と野菜に訊ねる。理屈ではないおいしさが、そこに生まれるのです。