12月17日、新刊が出ます!
最後の最後の校正中ですが、予約の受付が始まりました。
なぜか版元HPよりAmazonのほうが早く書影アップされたようで。
https://www.amazon.co.jp/dp/4259547909/
タイトルは『小さな店をつくりたい 好きな仕事で生きる道』(家の光協会)。
この10年以内に開店した、10坪あまりの小さな店、8軒11人の開業物語。
といっても「つくり方」ではなく、「つくった人々」のルポルタージュです。
「小さな店をつくりたいって、誰だってほんのちょっと考えることがある」
担当編集者のこの言葉で、伝えたい人がわかった本です。
政治経済や地球環境も、自分の将来も見通しの立たないこの時代に、働く意味ってなんだろう?
好きな仕事で生きられるなんて、自分とは違う、きっと特別な人だ。
そう葛藤したり割り切ったり、ときに憤ったりする日々の隙間に、ふと
心の奥のほうで「自分らしい、小さな店」を想像してしまう。
本書は、その「誰だって」から抜けて、いわば「あっち側」に行った人々の話です。
ですが彼らも元は葛藤したり割り切ったり憤ってきた、多くの中のひとり。
どこかの分かれ道で、たまたまどっちを選んだか、くらいの違いです。
じゃあ、本当に店をつくってしまった人たちの道のりは、どんなものだったのか。
彼らの足跡は、「あっち側を選んでいた自分」の物語かもしれません。
私はこれまで、飲食に関わる取材活動をしてきたので、
小さな店=飲食店の視点から「あっち側」の物語を書きました。
登場する8軒は、10年以内に開業した、10坪あまりの店。
10年以内としたのは、ここ10年で世の中が激しく変貌しているからです。
東京オリンピックバブルからのコロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻。
それらによる資材や輸入食品の高騰、円安、加熱するインバウンド。
私たちの暮らしでいえば、
移住や二拠点暮らしが増え、ライフ・ワーク・バランスという言葉が定着しました。
時代の大波を受けながら、街の小さな店はどのように生まれ、営みを続けていくのか。
南インドカレー、ナチュラルワイン、日本酒、タコスなど異なるジャンルと、
さまざまな事情を持つ店主たちのビフォアからアフターまでを、
2016年からの時代背景とともに追いました。
開業費用などデータも記録しておりますが、本書の基軸は「店のつくり方」ではなく、
つくった人々のルポルタージュ。
もしかしたらあっち側を選んでいた、あなたの物語です。
文筆 井川直子
【登場店(掲載順)】
ダバ☆クニタチ
赤い部屋
デリカ
ブンカ堂
nashwa ナシュワ
サプライ
中華可菜飯店
みよし屋
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