特別企画「母と、娘。」

「自称・不肖の娘や息子たちへ」というエッセイを寄稿しています。企画テーマが「母と、娘。」であることに後から気づいてしまいました。

『不肖の娘でも』(リトルドロップス刊)を、「母と娘」という視点で読み解いてくださる方が少なくありません。母と娘、娘と母。両者の関係には、何か特別な領域があるんだろうなと想像しています。

書いた本人はと言えば、母との関係をわりと鈍感にやってきた気がします。友だちのような関係では全然なく、母は母。私はお母さんと呼び、母は直子と呼ぶ。直ちゃんや直子ちゃんと呼ばれたことなどない、昭和の母娘。近すぎる、遠すぎると感じたこともありません。

ただ、この年になって母の話を書かずにいられなかったところをみると、私にもやはり特別な領域というものがあったのだと、認めざるをえないかもしれません。