2022.12.19 05:56東京で二十年。ローブリュー/行きたいお店 ユリーカ!今月のdancyuでは、連載のほか巻頭特集も一つ書いています。連載「東京で十年。」は、今年なぜか(私が)うれしいスペシャルエディション2連発。第2弾は「東京で二十年。」、青山のローブリューです。いつか書かせてもらえたらなぁ、と、私より100万倍このお店を知る方々にはきっと敵わない。の狭間で揺れながらついに機会を頂き、ローブリュー1年生の気持ちで書きました。このお店を深く長く愛する人たちにも喜んでいただけたら、今月の目標達成です。もう一つ、久しぶりに特集の1軒、西麻布のユリーカ!も担当しています。千葉麻里絵さんの新天地。取材前、営業中に伺った時、カウンターに並ぶお客さんたちの頭の上に「!」が光るのを見た!と訴えたら、その光景が誌面で採用されていて本望です...
2022.11.24 10:00東京で十年。と、四十五年。毎年恒例?になりつつある、dancyu連載「東京で十年。」のスペシャル・エディション3ページ。2022年は2号連続のスペシャルで、その第1弾は「東京で十年。と、四十五年。」の親子鷹です。息子のスペイン料理店「サル イ アモール」は、東京で十年。父の「エル カルテリャーノ」は、東京で四十五年。父の店は、日本人がまだほとんどスペイン料理を知らなかった1977年に創業して、日本人の口に「合わせない」店を続けてきました。「日本人はがんばり屋だけど、人に合わせることをがんばる。それで偽物になるなら、そのがんばりは間違っています」まるで「王様は裸だ」と言うようなまっさらな言葉は、どんな仕事をする人にも響きます。息子は同じスペイン料理店でも、個人店の父とは違う「より...
2022.10.06 14:12酒肴 タキギヤ初めから老舗のような。お若いのに、「言わずとも承知していますよ」をスパッとやってのけてくれるご主人。安藤サクラのごとき包容力の女将。ここはたぶん、タイムスリップするところです。
2022.09.06 13:37アステリスクdancyu10月号の「東京で十年。」は、代々木上原「アステリスク」です。自分から心を開く、って難しいし、大体どうやったら開いたことになるのかわからない。でも和泉シェフは躊躇なくどんどん開きます。もじもじする時間とか、自分の恥ずかしさとか、すっ飛ばしたいくらい大事なことがあるからです。
2022.08.06 13:11ダ・オルモ心の中で「ムーミン谷の人々」と呼んでいた愛すべきお店、「ダ オルモ」とそのチームの十年を書いています。いつ行ってもピースフル。気持ちいい、ちょうどいい、っていう光を照らす側は、反転して真っ暗な中を、もがいてあがいて歩いてきたのですね。転んだりケガしたりしながら、それでも、彼らにいつも吹いている一陣の風は「誠実」です。
2022.07.07 13:25麦酒屋るぷりんdancyu 連載、東京で十年。今回も十年勝手に見守ってきた、銀座「麦酒屋るぷりん」です。コロナ禍、ロックなアナキズムを貫いた店は、東日本大震災によって生まれた店でした。「自分に何ができるのか」あの頃、日本中の人がそう考えましたね。十年前、料理通信の連載・新米オーナーズストーリーに書いた原文もnoteにアップしたので、2012年と2022年の「麦酒屋るぷりん」を合わせてどうぞ。
2022.06.06 12:51wine stand waltz ワインスタンドワルツ東京・恵比寿で十年。私がガチで通ったお店です。店主の大山さんはスター気質ではないけれど、たぶんスターに憧れられるチャーリー・ブラウン。あるいはジャック・タチ。彼と同じ空気の場所に居たくて、空いてる時間を狙って通っている人も多いのでは?「やさしさ」というと昨今は「自己犠牲」と混同されそうですが、そうではなく人間として他者を想像するというやさしさを、この店と店主には感じます。原稿に、「映画」という言葉が出てきます。ワルツには、ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』のポスターが貼ってあるのですが、dancyu「東京で十年。」を書いている時、私の心にあったのは『パターソン』でした。
2022.05.15 11:08アクオリーナdancyu連載「東京で十年。」です。念願かなって、祐天寺のジェラテリア「アクオリーナ」を書ける日がやってまいりました。店主の茂垣稜介さんは、今ジェラート職人でありますが、料理、生ハム、チーズ、お菓子などいろんな道を歩いてきた人です。あっちこっちの角度からものを見る視点と、言葉のように数字を操れる知識と、それぞれの道で育まれた感性。それらをもってつくられるジェラートは、料理のような、アートのような、だけどジェラート。私が中学生の時、ある友達が「科学はロマンティックなんだよ」と教えてくれました。その言葉を思い出した「アクオリーナ」の十年。タイトルは「サイエンスと、ロマンスと」。
2022.04.19 05:36按田餃子dancyuの連載「東京で十年。」は、代々木上原「按田餃子」の十年。店主は料理家の按田優子さんと写真家の鈴木陽介さん、別にれっきとした本業を持つ二人です。取材は鈴木さんだけリモート参加でした。キラキラでふかふかのお座布団に鎮座するノートパソコン、画面にニコニコと現れた鈴木さんはまるでご本尊のようでありがたさ満開。おなか痛くなるほど笑いっぱなしの取材でしたけど、お二人はすべてがひたむきで、でもやっぱりなんかどこか可笑しみがあって。あの惚れ惚れするコピー『助けたい包みたい按田餃子でございます』の誕生秘話もそうでした。一つは本誌で読んでいただくとして、じつは原稿に書ききれなかったもう一つの秘話は、スーパーマーケットの歌。鈴木さんは下積み時代、買い物に行く度に...
2022.03.08 09:15ビスポークdancyuの連載「東京で十年。」4月号は、東中野のガストロパブ「ビスポーク」です。ロンドンに留学経験のある元ミュージシャンのシェフ、野々下レイさんによる、「自分の郷愁がのっかった」イギリス料理。仕立て屋という名前の通り、メニューはあれど臨機応変、あなたのために仕立てる料理です。ちょうどロンドンオリンピックの年にオープンしましたが、当時の東中野、商店街やポレポレがある側「じゃないほう」は、カラオケスナックがぽつんぽつんとある寂しいエリア。オリンピックさえ追い風にならなかったそうですが、少しずつ、確実に、お客たちの胃袋と心を掴み「東中野の公民館」的存在となりました。10年後の冬季北京オリンピックは、テレビ画面を前に、フィギュアスケートやスキージャンプをみ...
2022.02.19 02:53L'AS(ラス)dancyu3月号。連載の、東京で十年。のほうは、フランス料理店「L'AS(ラス)」です。取材時間に少し早く着いて、オンタイムになるまで待ってお店を訪ねたら、兼子大輔シェフはすでに着席してニコニコ待ってました。きっと、1分あったらできることたくさんある人なんだろうな。そんな無駄のないシェフを独占しているというのに、お話が面白すぎて過去最高レベルの取材時間になってしまった…ごめんなさい。ですが、兼子さんは全然焦らないしキリキリしない。頭の中で常に、カチッカチッと段取り変更ができていたのかも?と想像して、雪の帰り道、再び「すごいなぁ」が湧き上がってきました。(聞き過ぎ気をつけます)兼子シェフには8年前、移転したばかりの「ラス」を「料理通信」で取材しています...
2022.01.08 07:47高太郎2022年2月号の「東京で十年。」は、渋谷の居酒屋「高太郎」。スペシャルエディションの3ページです。dancyuでの登場回数が多いと聞いて、編集部に数えてもらったら10年で22回!お店の紹介だけでなく、つまみのレシピやテイスティングなどの企画も含めての数とはいうものの、編集スタッフだって入れ替わるのに、同じ店に何度も依頼することはそうそうないのにこの回数。代々の担当が「やっぱり高太郎さんに」と思うほどの信頼があるのでしょうね。そういう私も、コロナ禍に始めたnoteでの連載「#何が正解なのかわからない」で、高太郎さんの言葉を聞きたい!とお願いしました。(連載は2021年、『シェフたちのコロナ禍 道なき道をゆく三十四人の記録』(文藝春秋)として書籍化)信頼...