2020.03.11 06:08グリルさんばんとスプレンディド亀有の人は、街にも、街の人の下町気質にも、ついでに「こち亀」にも誇りを持っているみたいです。今は東京の西側、恵比寿のエレガントなリストランテ「オステリア スプレンディド」で、繊細な料理を表現している小早川大輔シェフもバリバリの亀有っ子。尊敬するのは、家族と一緒に通っていた商店街の洋食屋「グリルさんばん」でした。まんまスナックの、入りづらーいお店なんですが、じつはシェフ(みんなはマスターと呼びます)、帝国ホテルで村上信夫氏に師事したフランス料理人です。土屋治幸さん、治子さんと名前もお揃いの睦まじいご夫婦は、どうしても「二人の店」を持ちたくて独立。それ以外の贅沢は言いません。しかしですね、開店当初の物件が洋食屋の居抜きだったからフランス料理店でなく洋食屋に...
2020.02.10 03:36とりいちときんつぎ「荒木町きんつぎ」は、30代の男子二人による和食と日本酒の店。2018年に開店したばかりなのに、すでに荒木町の超人気店です。店主の佐藤正規さんは、活躍するOBが多い学芸大学の居酒屋「件(くだん)」出身。当時から意識が高く、礼儀正しく、「この人はいいお店をつくりそうだな」と思わせる雰囲気の人でした。修業中から、開業資金を貯めるため昼はレンタカー、夜は焼き鳥屋で働き、移動距離も最短にして「起きている間はずっと時給が発生する」サイクルで生活。その後日本酒の販売店、居酒屋と意識的に「学ぶこと」を選んで修業を積んだ人です。彼は、ほかの店のどんなところを見ているのか?興味津々で訊ねると、西大井という駅にある「とりいち」の名前が挙がりました。一見、本当になんの変哲も...
2020.01.16 05:02たまると沿露目「酒亭 沿露目」店主の大野尚人さんは、生来の人見知りなんだそうです。でも、この人すごい!と思ったら、いろいろ訊きたくてたまらない、飛び込んで話しかけずにいられない。なんという純粋な動機と行動だろうと思います。彼が尊敬するのは、荒木町の「たまる」。冬はあんこう鍋、夏は穴子料理の昭和のお店。というより荒木町の宝。江戸の格好良さとは何かを教えてくれる大先輩です。お話しを聞かせてくださったご主人と、書くことを許してくださった古くからの常連のかたがたに、心から感謝申し上げます。
2019.10.05 03:51第1回さいきとワルツ、第2回ふじ芳と蕪木。新連載「僕らが尊敬する昭和next.」、始まってます。東京の飲食シーンをおもしろくしてくれている若手が、今、昭和の店をリスペクトしている。『変わらない店 僕らが尊敬する昭和』(河出書房新社)の続編といえるこの連載、dancyuウェブでの毎月更新となります。第1回は、恵比寿のナチュラルワインバー「ワイン スタンド ワルツ」の大山恭弘さんが尊敬する、同じ街の大先輩「酒寮さいき」。第2回は、珈琲焙煎士でありチョコレート職人、「蕪木」店主の蕪木祐介さんが登場。「すべてがちゃんとしている」というお店は、うずら鍋と季節料理「ふじ芳」でした。