2020.11.13 00:15魯肉飯のさえずり 書評二度目の『文學界』は書評の仕事でした。『魯肉飯のさえずり』(著・温又柔/中央公論新社)。魯肉飯は「ルーローファン」ではなくて、主人公の(と同時に筆者の)台湾人の母の発音で「ロバプン」だそうです。台湾語の正確な発音うんぬんというところにない、いわく「ママ語」。この言葉があらわすように、台湾生まれ日本育ちの主人公の「何者であるか」からの解放が描かれています。その物語の縦軸になっているのが、母と娘。拙著『不肖の娘でも』とつながるテーマでもあり、書評タイトルは「母という娘」にしました。一気に読んで書いた原稿は本誌をご覧いただくとして、書き終わって、アン・リー監督の『恋人たちの食卓』(原題は飲食男女)をたまらなく思い出してしまいました。こちらは父と三人の娘たちの...
2019.08.09 03:04エッセイ「人生の微粒子」「人生の微粒子」というエッセイを書きました。文藝春秋の、『文學界』という、考えればふるえるような媒体だったので、いっそ考えないことにしたのはいいものの、何もこんなにもあほな中三時代の過去を大公開しなくても……。掲載誌が届いて、表紙に躍る作家の方々のお名前を見たりして、遅れてやってきた激しい動揺。えーん、あほ過ぎる。