2023.02.05 08:22佐渡島フェリーのおにぎり初めて行った佐渡島。とてつもなく大きいフェリーを探検中に見つけた、爆弾おにぎり。そのごはんのおいしさに驚愕したら、佐渡島の農業と朱鷺の物語を知った、というお話です。佐渡島、素敵なところでした。
2022.09.07 13:33いいお店のつくり方 保存版 インセクツいいお店のつくり方。タイトルも中身も外連味のない、いい本だなぁ。いつもおもしろいこと考える出版社、インセクツが「いい」とピンときたあらゆるジャンルのお店を2016年/2017年に取材した記事。に加えて、同じ店を2022年にも取材した定点観測。その間にはコロナ禍もあって、店を「つくる」だけでなく「つづける」ことについて考える本になっていました。吉本ばななさんとともに、すごくすごく光栄だけど、なぜ私?と編集長に訊かずにはいられなかったけど、いいお店についてのエッセイを寄稿しています。タイトルは「迎える、迎えられる」。(謹呈がやけにうれしい)
2022.06.06 12:27月向農園月刊日本橋の連載「食の源をたどれば」は、和歌山の「月向農園」です。生産者は、どの地点を見据えて食べものを作るか?それによって、農産物の、味の着地点は違ってきます。見えているか、どこを見ているか。そう考えると、農業が観るべき時間の距離は、果てしなく長いなぁと思います。
2022.04.19 02:38瀬戸谷もみじの「和」紅茶『月刊日本橋』に連載中の、「食の源をたどれば」第16回は、静岡の和紅茶「瀬戸谷もみじ」です。かつて明治時代の日本では、欧米で人気の紅茶を輸出すべく、政府が緑茶からの生産転換を推奨していたそうです。けれど戦後に輸入自由化となり、海外製の紅茶が押し寄せて国産紅茶は誰も作らなくなっていきました。ただ、少数ながら情熱を持って紅茶をつくり続けている生産者も、いたのです。海外の技術を学びながら、ない機械は自分たちで手作りし、日本の紅茶を。日本人は海外のプロダクトを真似するのが得意ですが、いつの時代も「似たものを」ではなく「日本ならではの」ものに仕上げようとします。といっても名前やエッセンスだけ抜き取った強引な個性ではありません。いつだったか、イタリアで聞いた言葉を...
2022.02.08 02:22羽場こうじ店の「急がない」麹と味噌月刊日本橋2月号の連載「食の源をたどれば」は、秋田の羽場こうじ店です。麹屋ってご存知ですか?自家製味噌や、秋田では漬け物などの保存食にも欠かせない麹。それを製造・販売する専門店です。米どころ秋田の、さらに米どころ横手市には、かつて集落に1軒はあったそうです。お豆腐屋みたいですよね。今、自家製味噌を作る家のほうが少ない時代になりましたが、羽場こうじ店では各家庭ごとカスタムメイドのお味噌を作ってあげてます。手軽に試したい人は、既製品の「㐂助みそ」もあります。麹たっぷりで、お出汁が要らないという人もいるほど旨味を感じる味噌。昔ながらの、ちょっとのんびりとした作り方がおいしさを育てています。
2022.01.08 07:16剣菱酒造の「変わらぬ」日本酒月刊日本橋の連載「食の源をたどれば」は2年目に入りました。2022年1月号、2周目のトップは兵庫・灘の剣菱酒造。私は2013年に、dancyu 3月号でこの蔵を取材しています。当時のタイトルは「剣菱 100年残る味」。大手ですが大きな造りでなく、小さな蔵と同じ造り方を人海戦術で行っていることに衝撃を受けました。「止まった時計でいること」この初代の家訓のおかげで、代々の継ぎ手が本質を見失わずに済んだのです。そんな尊敬する蔵の「変わらぬ」酒について書いています。
2021.12.07 10:57玉村本店の「志賀高原ビール」ビールは工業製品でなく農産物。そう実感した日本のクラフトビールです。初めて取材したのは2010年。かつて「地ビール」と呼ばれ、いったん下降した日本のクラフトビールの復活の兆しが見えた頃です。志賀高原ビールはその立役者。かっこよくておいしくて、何より日常といえる価格にまで近づけた。野外音楽ライブなど、「ビールを取り巻く文化」にまで視野を広げてくれました。その真ん中にある思想が「自分が飲みたいビール」であること。シンプルは強い!ですね。
2021.12.02 01:11エッセイ「物語のある贈り物、物語のない贈り物」ギフトにまつわるエッセイを書きました。私自身は、考えすぎて1周回ってツボを外すような贈り下手。なのに、あげたがりというややこしい性質の人間です。でも「あげる」「もらう」って、気持ちをやり取りする、とても人間臭い行動。失敗してもなんだか愛おしいですよね。阪急百貨店のサブサイト・HANKYU.MODEによる、ギフトについて改めて多面的に考える企画"READY FOR GIFTING"。その第4弾です。
2021.11.29 01:2128年目の冷蔵冷凍庫 1、2年ほど前から冷蔵冷凍庫の運転音が大きくなってきたと気づいてはいたが、このところとくにひどい。 ジージーからガーガーへ転調し、こちらが必死に聞こえないふりをしていると、そうはさせまいとでも言うようにギギギギギにキーを上げて訴えかけてくる。 狭いわが家では台所脇の1畳くらいのスペースが私の仕事場なので、この原稿もそれに耐えながら書いている。 どうにも気になる。 いや、それ以上に、リモート会議や電話取材などでは私の背後で常に妙な音が響いているのだから、恥ずかしいやら申し訳ないやら。 じつはこの冷蔵冷凍庫、以前このコラムに書いた電気オーブンよりさらに長く、28年も使い続けているのだ。 20代半ば、広告の文章を書く仕事を始めてようやく自分で買った、365...