vol.29 校正延長戦その1 「泰明庵」へ。

2店だけ校正確認を残した延長戦、そのうちの1店、銀座「泰明庵」へ。

女将さんは泰明小学校の卒業生。戦争が終わり、一年生の二学期から通ったそうです。
日本橋から銀座まで、リヤカーに畳を何枚も重ねて載せ、その上に5人の子供たちが乗って引っ越した話。

空襲で倒れたままの電柱に子供たちが並んで腰掛け、茹でたトウモロコシをかじった話。

なんだか逞ましいな。

当時の銀座は住宅地でもあって、子供が多かったのだとか。泰明小学校も1クラス50人超。女将さんの年代は、それが2クラスだったそうです。

その日はお客さんにも泰明卒業生がいて、お会計間際「女将さんは何期生?」「ずいぶん上よ」「いやぁ同級生かと思ったよ」。30年違いましたけどね。

という、原稿以外の確認もしっかりして納豆蕎麦。