2018.09.19 03:00vol.38 お礼状。書き損じがせつない。佐藤さんの「藤」を葉書の「葉」と書こうとしている……のは百歩譲ってわかるとしても、「ホ」って誰?(涙) 何を書こうとしたの? 私。お礼状というには申し訳ないくらいのわずか数行ですが、56軒、1日がかり。
2018.09.18 00:22vol.37 刷り上がりました。雨の朝、刷り上がった『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』が河出書房新社から届きました。デザイナー菅渉宇さんの宇宙!ですね。茶人でもある彼らしい、一歩引いた品、しかし強い品格を感じる美しい本をつくってくれました。落ち着いているけど、どこかふわっと新しい、気持ちいい風が吹く感じ。(枯れてるのに実は若い菅さんとダブります)表紙の帯は赤坂「天茂」のカウンター。天ぷら職人になった娘と母を、亡き父が店そのものとなって見守っている、そんな昭和の店です。撮影は写真家・キッチンミノルくん。本書では最も多く撮影してくれました。ページをめくると原宿「重よし」のきりっとした利休箸から始まります。こちらの写真は松園多聞さん。ほかに高橋宗正さん、たださん、全部で4名の写真...
2018.08.31 02:30vol.36 全28章のタイトルです。『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』(河出書房新社)9月20日発売予定。最終校、目次からのスクリーンショット。各章のタイトルはこんな感じになりました。ページ全体を載せると小さくなってしまったのでタイトルだけ。でも、どのタイトルがどのお店か、若干むずむずしますね(笑)。
2018.08.30 03:30vol.35 登場してくれた28人×28店。本書『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』(河出書房新社)には、28人の「僕ら」飲食人と、28軒の「昭和」の店が登場してくれます。第一章から、掲載順に初公開(敬称略)。写真は本書の帯無しバージョンです。「ゴロシタ.」長谷川 慎「重よし」(日本料理)「カルネヤサノマンズ」ほか 高山いさ己「冨味屋」(焼肉)「ダ・オルモ」北村征博「ビーフン東」(台湾料理)「メゼババ」高山 大「オーボンヴュータン」(フランス伝統菓子)「サローネ トウキョウ」ほか 樋口敬洋「イーハトーボ」(喫茶)「レフェルヴェソンス」生江史伸「鳥茂」(焼鳥)「フロリレージュ」川手寛康「スリジェ」(フランス菓子)「シンシア」石井真介「一幸庵」(和菓子)「ビストロ コティディアン」須藤亮祐「...
2018.08.29 03:30vol.34 表紙発表、書店で予約開始!『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』(河出書房新社)の表紙、こちらです!装丁は「スガデザイン」の菅渉宇さん。「静かに、でも内心は猛烈な憧れと尊敬、共感の強い思いやまなざしが隠れているような、そんなイメージです」とのこと。若いのに昭和な男子が本書の世界観を広げ、深めて、生かしてくれました。個人的に、私は書体がとても気に入っています。この秘密、気づく人は気づくかもしれませんね。関係者のみなさまにはいち早くメールにてご報告いたしましたが、メールアドレスの無いかた、お葉書をお待ちください。発売予定日は9月21日、1850円(税別)。本日より、全国の書店、インターネット書店等で予約開始です!詳細は河出書房新社HPにてご確認ください。
2018.08.28 04:27vol.33 最終決戦。静かに瞼を閉じ、正座して心を整える武士のイメージで、静かな気持ちで焼きたてのパニーニを食べています。ほぼ徹夜で三回目の校正を終えました。これから編集者からお電話がきて、確認すれば、今年4月から始まった本書『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』の井川パートはすべて終了。取材の合間なので、遅めのお昼を食べつつ落ち着ける場所を探しました。お店の中で電話をしては良くないので、どうしようと思って聞いてみたら大丈夫みたい。よし。あとはスマホのアンテナよし、原稿よし、テーブル席よし。しかし、スピーカーの真下なんだよね……。
2018.08.27 06:21vol.32 背表紙に一言入れるか入れないか問題。本のカバーデザイン、帯デザインはとっくに決定済みですが、先週末、ふと「本の帯の背にコピーを入れるか入れないか問題」がわきあがりました。デザイナーの菅さんが、書店で棚の本を見ていたら……。「背表紙を見ていたら、タイトルとは別の一言がじわじわ効いてくるんですよね」書店で本が、平積みでなく棚に並んだ場合、買ってくれる人に話しかけるのは本の「背」だけです。その時、どんな言葉で、ふと気にしてもらうか。背には、タイトル+サブタイトル、著者名、出版社名が入ります。 〝変わらない店 僕らが尊敬する昭和 井川直子 河出書房新社〟 もしも私が村上春樹という名前なら「著者名」で手に取ってくれる人もいるのでしょうが、残念ながらそうではありません。で、もちろん『変わらない店 僕...
2018.08.23 04:13vol.31 昭和の店28軒、カラー写真32ページ。『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』、完成までいよいよ大詰めです。先日は「昭和の店」全28軒の、カラー写真32ページが出稿されました。美しい。映画のようにも思えるし、物語を感じる、この写真セレクトはデザイナーの菅渉宇さんの感性そのまま。雑誌『メトロミニッツ』で掲載されなかったアザーカットも含め、すべてを見て、彼が拾い上げた写真で構成されています。「僕らが尊敬する昭和」の世界観を感じてもらえる、小さな写真集ですね。ところで銀座「泰明庵」の写真はお品書き、圧巻の見開きです。女将(次女)と二代目店主(その弟)の、字の綺麗な亡き姉が書いたものです。「姉も喜んでくれるわ」女将さんがぽつりと言って、そうとは知らずにそれを選んだ、菅さんとのつながりを感じまし...
2018.08.22 03:30vol.30 校正延長戦その2「重よし」へ。これでホントに最後の校正確認、原宿「重よし」さん。『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』では第一章です。修正点をいち早く郵送してくださったのですが、料理に関するデリケートな部分だったので、絶対間違いの無いよう会って確認しようと「重よし」さんのお盆休み明けを待ちました。すると、原稿の確認だけだったはずが、本文に登場するすっぽんのスープと枝豆のすり流しを出してくださったんです。「まあ、食べてみて」私は食事に来た際にすっぽんのスープはいただいていましたが、原稿を書いてから味わうとまた訴えてくるものがある。枝豆のすり流しは、水だけでなぜこれほど豆の旨味を引き出せるのか、ちょっとショックなほどでした。この店を尊敬している「ゴロシタ.」長谷川慎シェフの衝撃を...
2018.08.20 05:13vol.29 校正延長戦その1 「泰明庵」へ。2店だけ校正確認を残した延長戦、そのうちの1店、銀座「泰明庵」へ。女将さんは泰明小学校の卒業生。戦争が終わり、一年生の二学期から通ったそうです。日本橋から銀座まで、リヤカーに畳を何枚も重ねて載せ、その上に5人の子供たちが乗って引っ越した話。空襲で倒れたままの電柱に子供たちが並んで腰掛け、茹でたトウモロコシをかじった話。なんだか逞ましいな。当時の銀座は住宅地でもあって、子供が多かったのだとか。泰明小学校も1クラス50人超。女将さんの年代は、それが2クラスだったそうです。その日はお客さんにも泰明卒業生がいて、お会計間際「女将さんは何期生?」「ずいぶん上よ」「いやぁ同級生かと思ったよ」。30年違いましたけどね。という、原稿以外の確認もしっかりして納豆蕎麦。
2018.08.17 03:22vol.27 手を離れるときが来ました。最後から二番目の校正を持って、お盆の出版社へ。河出書房新社さまの一階は喫茶店。いつもは編集者っぽい人や作家っぽい人でぎっしりなのですが、この日はお盆休みでこの静けさです。編集者の田中さんに、再校を渡します。ここから先、この原稿は私の手を離れることになります。(2軒だけ、お店のお盆休み明けに延長戦はありますが)しかし怖い。何度も何度も読んだけど、だからこそ目が慣れて何か間違いを見逃してないよね?と胸がざわざわ。そういえば、本書『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』で「カルネヤサノマンズ」高山シェフが言ってました。「やっちゃいけないことを、絶対やらない」飲食店で言えば、エアコンの汚れやグラスの曇り。そういう無くてあたりまえのことを、あたりまえに「無い...
2018.08.15 06:47vol.26 最後から二番目の校正。「僕ら」と「昭和」の店のみなさまから、ほぼ校正が届きました。お時間が無いなか、ありがとうございました。私のお盆はお墓まいりとその帰りのクインディ、あとは机の前です。おかげで集中豪雨も関係無し。校正も二度目なら、大きな修正はあまりありません。でも、世の中に出て行くと思うと何度確認しても怖い。なんて言いつつ、どこか楽しいんですね。間違いの修正じゃなくて、自分の表現の書き直しの場合です。菅さんはデザインを彫刻に例えましたが、私はフィッティングだと思っています。そで丈や襟のあき具合を、より精密にぴたりとフィットさせる作業。本当は、生原稿を編集者に出す時点で何度もフィッティング作業を繰り返し、100%にして送っているはずなんです。ちょっと時間をおいて、パンみたい...