dancyuの連載「東京で十年。」は、門前仲町の「沿露目(ぞろめ)」です。
店主の大野尚人(ひさと)さんは、大衆酒場好きで、昭和の店マニア。でも単に古いお店が好きなのでなく、美学を感じるお店が好きなのです。
美学とは、人それぞれです。
正解はなくて、自分が美しいと思えばそれが美しい。だけど、自分はどうしてそれを美しいと思うのだろう?そう自分の中で突き詰めた答えが、その人の美学なのではないか、とこの取材で思いました。
個人的に、一番書きたかったのはこの言葉です。
「僕には、映像で表現したいことがない」
大学生の大野さんは、映像の仕事に就きたかった。それが自分の「やりたいこと」だと思っていた。でも、気づけば「表現したいことがない」。
その愕然とする感じがグサグサ刺さりました。私もかつて、愕然としたので。
でも酒場のフィールドに出た途端、次から次へと「表現したいこと」が湧き出てしまってついに3店舗です。
スタンディングオベーションのような気持ちで、書きました。
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