清らかな鰻/蒜山 鰻専門店 翏

DEAN&DELUCA WEB「僕らの新しいローカリズム」、第2弾「蒜山(ひるぜん)」編がスタートしました!

岡山県の、きわめて鳥取近く。丸い山にさまざまな樹木が茂り、川が川のままに蛇行して流れる、地元の人が「なんでもない」と言う里山です。

ここに、しかし、とてつもなく魅力的な人々が集まり始めたのが気になっていました。自然栽培の生産者、豆腐職人、チーズ職人、ビール醸造家、料理家、金工作家に陶芸家、そして鰻職人も。彼らのローカリズムを、今月から6回(月1回満月更新)にわたってお伝えします。

第1回は「蒜山 鰻専門店 翏(りょう)」。2013年に中目黒でオープンしたときから、店主の村田翏さんはインディペンデントな鰻職人でした。元バンドマンですが、鰻専門店でも13年働いている。シンプルに鰻が好きだから、自分の好きな味を求めている。

その味覚、私は絶対的に信頼していて、ミシュランの星も獲ったしこれからますます楽しみだーという時に、すいっと蒜山へ行っちゃいました。

でも蒜山移転後、通販で翏さんの鰻を食べたら、ぞくっとするほど凄みを増していたんです。なんだかすごく、清い。なんだろうこれ?と現地で食べたらますます清らかで、その仕事を見て深く納得しました。

それでも蒜山へ来たのは「鰻のためじゃなく、自分たちのため」。山の自然を感じて、小学校で子どもたちに鰻の授業をし、今年からは田んぼも始めた。日本国内や海外でのポップアップには身軽に飛んでいく。

彼と、妻の朋子さんは今、めちゃめちゃ楽しそうです。