小説「クオーコ・ジャポネーゼ」第8回

イタリアで修業中のコックたちがびっくりすることの一つに、日本と違う、長い夏休みがあります。修業先のリストランテはもちろん、街のバールも床屋も精肉店も、みんな店のシャッターをおろしてバカンスに行ってしまう。

1分1秒でも学びたい日本人コックは、バカンスでも絶賛営業中のリゾートへ行くことになります。

『イタリア好き』のフィクション連載「クオーコ・ジャポネーゼ」は第8回。

物語の主人公である「僕」もまた、北の修業先から、南のリゾート地へ。

人の気質もルールも違う場所にきて、日本人コックの選択はまたしても、おおむね3つの方向に分かれます。

①北よりあったかくて人間的!と大好きになるか。

②ルーズで自分勝手!と馴染めないか。

③「違い」に戸惑い葛藤してしまうか。

「僕」は南で初めて人種差別的な屈辱を受けることになって、それに対して、どう耐えたか?を書いています。

受け入れることは、決して降伏ではありません。

※『イタリア好き』は、イタリア関係の飲食店や食材店、酒販店に置かれているフリーマガジンです。見かけたらぜひお手に取ってみてください。