「おとなの週末」隔月連載「女将のいる場所」。
今回は銀座の蕎麦・軽食「泰明庵」の女将、濱野照子さんです。
困っている人をたすけたい人。見て見ぬふりができない人。口で言うのは簡単ですが、自分の性分として、どうしようもなくそうである人に、私はそうそう会ったことがありません。
戦後の銀座で育った濱野さんは、10歳頃にアメリカ兵にトイレの場所を訊かれ、とっさに「公園のトイレは汚いし」と頭をフル回転。リニューアルした百貨店のトイレを思いつき、でも「教えるだけじゃ道に迷うかも」と見知らぬアメリカ兵を百貨店まで案内しました。
原稿を書く時、グーグルマップでその距離を調べてみたら、400メートルくらいある。
大通りも越えて、今の銀座で言えば5ブロック先です。
子ども時代からそこまでする、彼女の「たすけたい」の本気度を感じました。
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