2018.12.21 05:59「日登美×翏」メトロミニッツ 2018.12.20連載「僕らが尊敬する 昭和のこころ」は、「日本酒とうなぎ 翏(りょう)」店主・村田翏さんが尊敬する「コクテル 日登美」です。最寄りは新井薬師前駅で、それでも10分少々。やっと着いてもスナックって書いてあるし、その看板が消えているし、控えめに言って今にも崩れそうな長屋にあるしで、正直、初めは「え、ここ?」とひるみました。しかし、私は村田翏さんの味覚や、食べものに限らず嗅覚のようなものを全面的に信用しています。えい!と中に入ったら、映画のような情景がありました。笑っちゃうほどおいしいカクテル、飄々としているのにすごい伝説を持つマスター、「ダイアナ」無限ループの壊れたジュークボックス。翏さんは海外在住の友人に連れてきてもらったそうですが、このハードボイルドな...
2018.12.20 01:04「ロス・タコス・アスーレス」料理通信 2018.12.6連載・新米オーナーズストーリー第135回は「ロス・タコス・アスーレス」。メキシコ出身のマルコさんが求道する、商業化されていないタコスを、夜はコース仕立てで味わえるお店です。「お米をはじめ、自分たちの食文化を大切にする国」というマルコさんの言葉に、ありがたくも、すこし複雑な気持ちにもなりました。本当に、今の私たちはそうなんだろうか?でも彼の故郷の事情は、私の想像を絶しました。環境、流通、治安。ただ「おいしいものを作りたいだけ」の料理人が、それに向き合えるということが、どんなに幸せなことか。彼は日本で、自国の食文化の豊かさを伝えます。遠い遠い国の話だけれど、そのタコスを食べて私はメキシコに行きたくなりました。※店名はカタカナ表記の場合、取材時には「ロス・タ...
2018.12.06 03:39東京で二十年。「アロマフレスカ」dancyu 2018.12.6連載「東京で十年。」の、年末だからスペシャル・エディション「東京で二十年。」です。10年で奇跡といわれる東京の飲食業界で、20年。原田慎次シェフは、「10年なんてあっという間、20年経っても達成感など何もない」と語りました。彼は、20年前から今もなお、初日にいるのです。3ヵ月先まで満席の店と言われ、雑誌を開けば必ず載っていて、時代に愛された。原田シェフは華やかなイメージのある人でしたが、じつは20年、ずっと厨房に立ち続けていました。1日も休まず、タラバガニを毎日焼いていました。それはとても地道で、とてもカッコいいことです。「アロマフレスカ」と原田シェフの、そっち側のすごさが伝われば幸いです。