2021.10.13 10:14砂の岬dancyu 2021年11月号の連載・東京で十年。は、桜新町の「砂の岬」です。お店の常連さんから「10年です」と情報をもらって、初めて訪れたのが今年の初め。すぐに取材をお願いしようと思ったのですが、その後「砂の岬」はマダムのご出産、緊急事態宣言の延長、テイクアウトから通販への移行などが重なり、しかしギリギリ11周年になる前にお願いすることができました。不器用で、何をするにも時間がかかる。そんな店主夫妻の生き方は、自分に誠実だからこそ。今この時代、逆に眩しく、心強く感じます。
2021.10.13 09:52ごはんから生まれた洋食物語2021年11月月号のdancyuでは連載・東京で十年。のほか、ごはん特集内の「ごはんから生まれた洋食物語」も書いています。まずは洋食ごはんから。この原稿を書きながら、私は昔取材した菓子職人のことを思い出していました。イタリアで修業中だった彼に夢を訊ねると、こんなことを言ったんです。「今までにない何かを、お菓子で発明しなきゃダメですね。誰もが〝そんなやり方もあったのか〟とか思うような」新メニューやアレンジの域ではなく、発明。それは100年先のスタンダードを創るような仕事のこと。そして、洋食は発明だと思うんです。西洋に憧れて、真似して磨いていた日本人が、「ごはん」に向かって歩き始めた時からまったく違う料理が生まれた。洋食は、今や世界に誇れる日本オリジナル...