2023.10.18 08:27エッセイ「中秋の名月」全文 秋田魁新報秋田魁新報のリレー連載、エッセイ「遠い風 近い風」。2023年10月7日掲載、全文がnoteでお読みいただけます。今回は「中秋の名月」をテーマに書きました。月見団子から思い出した、幼少期の記憶。ススキと母と、長女という存在の不条理です。
2023.08.31 08:35エッセイ「無趣味」全文秋田魁新報のリレー連載「遠い風 近い風」エッセイ。8月のいつかに掲載された「無趣味」の全文です。写真は、お話に登場する故・関口一郎さん(「カフェ・ド・ランブル」創業者)。彼が無趣味だったわけではなくて、夢中についての大事な言葉を与えてくれた方です。
2021.11.29 01:2128年目の冷蔵冷凍庫 1、2年ほど前から冷蔵冷凍庫の運転音が大きくなってきたと気づいてはいたが、このところとくにひどい。 ジージーからガーガーへ転調し、こちらが必死に聞こえないふりをしていると、そうはさせまいとでも言うようにギギギギギにキーを上げて訴えかけてくる。 狭いわが家では台所脇の1畳くらいのスペースが私の仕事場なので、この原稿もそれに耐えながら書いている。 どうにも気になる。 いや、それ以上に、リモート会議や電話取材などでは私の背後で常に妙な音が響いているのだから、恥ずかしいやら申し訳ないやら。 じつはこの冷蔵冷凍庫、以前このコラムに書いた電気オーブンよりさらに長く、28年も使い続けているのだ。 20代半ば、広告の文章を書く仕事を始めてようやく自分で買った、365...
2021.09.28 04:00エッセイ「ぬか漬け始めました」秋田魁新報 全文 ぬか漬けを始めた。 もう2カ月ほど経つだろうか、今日はズッキーニがぬかのふかふか布団の中で食べ頃になっているはずで、そわそわしながらお昼ごはんの時間を待っている。 ぬか床は、猛暑が続いていたある日、自然食品店で見かけて衝動買してしまったものだ。 なぜ衝動が起きたかというと、隣で小茄子が売られていたのである。今朝もぎました、と言わんばかりのつやつや、ピチピチの小茄子は丸ごと揚げようか。それとも焼いてからハーブやオリーブオイルでマリネにする? その時、隣のぬか床が鼻で笑ったのだ。「小茄子なんだからさ、そりゃあぬか漬けでしょ?」と。暑過ぎたんだね、と心配されそうだが、私は声に従った。 じつは、2度目のぬか漬けチャレンジである。 最初は10年以上も前、ぬか漬...