2023.10.31 11:41書評『イタリアの修道院菓子』『イタリアの修道院菓子』(誠文堂新光社)。著者の佐藤礼子さんは料理家なので再現可能に考え抜かれたお菓子のレシピもあるのですが、それ以上に圧倒的な、修道院とお菓子を巡る物語です。信仰の閉ざされた世界と中世の歴史、それをお菓子が紐解くという破壊力。薔薇の名前みたいなミステリーを読み解くように、ぐいぐい惹き込まれました。写真もまたもう一つの言語で語るような、こちらを見据える美しさ。目を逸せないのです。お菓子の佇まい、装丁も。本という物体っていいなと、改めて思いました。ぜひ手にとって、指でページをめくって味わってもらいたいなぁ。読書感想文を、クロワッサンで書いています。#イタリアの修道院菓子 #誠文堂新光社 #佐藤礼子
2023.09.21 01:10『ピッツァ職人』書評・山脇りこさん クロワッサン『50歳からのごきげんひとり旅』(だいわ文庫)著者で料理家の山脇りこさんが、『ピッツァ職人』(ミシマ社)の書評を書いてくださいました。「彼らはお金でも名誉でもない、〝夢中〟を選んだ者たちだ。〜誰のためでもなく、自分の生きる喜びのために」8月25日発売の『クロワッサン』、「話題の本、気になる本」のコーナーより。母の目線から始まり、自身への生き方に帰結する書評は斬新で、私にも気づきを与えてくれました。ありがとうございました。
2019.12.07 23:37選書 おいしい本 クロワッサン「冬の夜に、年末年始のお休みに、がっつり読める食の本」というテーマで、おこがましくも2冊紹介しています。1冊は木村俊介さんの『料理狂』(幻冬舎文庫)。レジェンドシェフたちの語りは、読んでいて体の芯が熱くなります。私も取材でお世話になったシェフが何人か登場しますが、こちらの本は独白なので、ご本人の言葉がストレートに伝わります。それも木村さんの、聞き上手、引き出し上手な職人技術のたまものです。もう1冊は、筒井ともみさんの『舌の記憶』(SWITCH LIBRARY)。正直いうと、映画に憧れていた20年くらい前、たしか読んだなあというまま眠っていた本。今回もう一度手にとったら、『不肖の娘でも』と重なる記憶があって驚きました。筆者は私より年上で東京育ち、私は秋田...