2024.06.25 06:59Ristorante Hideki Nakagawa/あまから手帖『あまから手帖』は神戸特集。私は「Ristorante Hideki Nakagawa」を書きました。シェフの中川英樹さんは『イタリアに行ってコックになる』(2003年刊行)のイタリア現地取材で出会った料理人。当時の彼はピエモンテ州アルバの「エノクラブ」という伝統料理店で修業中でした。いきなり日本から「取材させてほしい。本になるとか、先のことはわかりません」という国際電話をかけてきた、見知らぬ日本人を信用してくれて、ここからイタリアでの取材が始まったんです。中川さんはその後、イタリアの様々な土地で学び、イスラエルでお抱え料理人、京都でオーナーシェフ、再びイタリアに戻って美しいヴィッラのシェフとなり、永住するつもりが、家族ができて東京へ。そして昨年、神戸...
2023.10.25 05:03落ち鮎と天川村/あまから手帖お鹿さまの悠然たる表紙、これぞ奈良ですよね。関西の『あまから手帖』奈良特集で、天川村のことを書いています。奈良って人の住める土地が日本一少ない、たった23%。あとは山。それも山岳信仰の修験者が目指す、深くて険しい山です。「霊山」とか「秘境」のイメージですね。車のない時代は人間を寄せつけなかった、そういう山の中腹に天川村があります。なぜここへ行ったかというと、鮎の串焼きがあったから。鮎は私の世界一好きな魚だからです。車に乗ってくねくねと登ってみれば、そこは天上の村のような、桃源郷のような、穏やかな温泉街でした。鮎を焼いている人は「亀仙人」と呼ばれていて、水も空気も清らか。今振り返っても、あれは暑い晩夏に見た幻だったのかもしれないと思う、不思議な感覚です。
2022.12.26 06:26新・あまから手帖 路地裏のジェノヴァ1984年に創刊した、関西の老舗料理誌『あまから手帖』がリニューアル。この2023年1月号から、編集長は元『dancyu』編集長の江部拓弥さん、デザインは白い立体のチームになりました。思わず声が出るほどカッコいい、美しい表紙。〆切山脈を登頂中だというのに、手に取らずにはいられないし、取ったらページをめくらずにいられない、めくったら次のページもめくらずにいられない。雑誌っておもしろい!っていう気持ちの塊が、「うぉー!」という鳴き声みたいになって心の底から湧き上がりました。「1」のシンプルな数字は1月号、でも江部号の第1号でもあるような。「1」に参加できて光栄です。私はイタリア料理店「ラ・ランテルナ・ディ・ジェノバ」、路地裏のジェノヴァを書いています。
2018.08.23 03:15「gucite(グシテ)」あまから手帖 2018.8.22関西の食雑誌「あまから手帖」、話したくなるイタリアン・フレンチ特集。巻頭のイタリアン「gucite(グシテ)」のページを書いています。バール「プント・エ・リーネア」鎌田和佳さんのSNSを見たときから、この店へ行ってみたいなぁと思っていた店。大阪の「グシテ」を、東京在住の私に書かせていただける! ということで、梅雨明けの大阪へ喜んで行き、敏腕編集者Aさんの「ひとりで行って、全身毛穴で感じてきてください」とのミッション(なんて素敵なミッションをくれる人なんだ!)を忠実に遂行しました。なぜ「gucite」がイタリア好きにもそれ以外にも愛されるのか、同業者も通ってしまうのか、どうしてこんなに楽ちんなのか。そんなことを毛穴から感じてみました。