みを木

毎年恒例、dancyu渾身の日本酒特集。

この号で「みを木」の10年を紹介できたことがとてもうれしいです。

日本酒が低迷していた時代から、「造り手たちを守りたい」と居酒屋を始めた女将のお話。

彼女は広告の仕事をしていました。

でも、誰かのためにベストを尽くしたいという、自分の「好きなこと」よりも先に「意義」で道を決めた。それにまず驚きました。

取材は、第3波の拡大が止まらない年末でした。

試食に訪れた時、(食材のロスを出さないよう)メニューはおまかせになりますが、といわれて出てきた数々の酒肴はとんでもなくご馳走で、「こんなときに来てくれたお客さんのために」という気持ちが溢れていて、気持ちがじんじんしました。

だけど女将はあくまでも軽やかに。

「流れていくように在ればいい。変わることを恐れる必要はありません」

という言葉は、この時代、みんなの心を少し楽にしてくれると思います。

井川直子 | naoko ikawa

文筆業。