山田農場のガロのチーズ

北海道、とくに函館を中心とする道南は、西洋料理のテーブルに載るものがすべて地元でまかなえる稀有な土地だと思う。

パンやパスタを作る小麦も、ワインも、バターもチーズも生ハムも、手に入るだけでなくとてもおいしい。

そして、それらを作る人たちも魅力的だ。

今回は函館の郊外にある大沼地区の、山田農場。

ヤギを育て、その乳でチーズを作る、そのチーズ「ガロ」が素晴らしい。世界に誇れるチーズだと思う。

品質を語るときは、その土地のポテンシャルと人間の技量だけでなく、暮らしぶりや思いといった曖昧な部分が実は大事だと思う。もしかしたらかなり大事だと思う。

山田さん一家は、まるで「北の国から」のゴローさんのようだ。家も放牧地も自分たちで拓き、造り、生き物を育てて自分たちも生きる。

すべてが地続き。たくましくて、おおらかだ。

だから、チーズもそんな味。