第6回 食生活ジャーナリスト大賞という、光栄な賞を受賞しました。
2020年のコロナ禍、第一波に始めたnoteの連載「#何が正解なのかわからない」から、2021年に書籍化した『シェフたちのコロナ禍 道なき道をゆく三十四人の記録』(文藝春秋)へ。その活動が評価されてのことでした。
本書籍は「未経験のウイルスとの闘いの渦中に立たされた料理人たちの気持ちがリアルに伝わり、後世に残 る記録集となっている。」と講評していただいています。
ありがとうございます。
noteの連載を始めたのは、奇しくも11年前の今日、東日本大震災で「何もできなかった」記憶が原点です。
シェフたちが被災地で炊き出しをしている話を聞きながら、無力感を覚えていました。
コロナ禍になって再び「自分に何ができるだろう?」と考えた時、でもやはり、苦しんでいる人に「何が苦しいのですか?」と聞いて書くことは、私には想像ができなかった。
そんな時、「何が正解なのかわからない」という言葉を見つけました。
ああ、これなら私にも書ける、と思ったんです。ここに向かっていけばいいんだな、って。
1回目の取材をして、その日のうちに書いて。でもまだモタモタしている私に「TACUBO」の田窪大祐シェフが「GO!GO!」と背中を押してくれて、ようやく走り始めた連載でした。
今回の受賞は、本当に困難ななか取材を受けてくださった、三十四人のシェフ、店主たちに捧げたいと思います。
あらためて、心からの敬意と御礼を申し上げます。
2022年3月11日 井川直子
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