相変わらずタイトル問題に悶々としていた日々、デザイナーの菅渉宇さん・お菓子とお料理をつくる森影里美夫妻と立ち飲みビストロ→ワインバーへ、はしごしながらぐるぐる話していました。
単純に、この原稿を読んで菅さんがいちばん刺さったのは?
そう訊ねたとき、「変わらないっていうこと。変わらずに、ずっとつづけていくこと」と返ってきたんです。
あ、生まれた! と、鶏から卵がポコッと産み落とされたみたいな絵がよぎりました。
2015年に出版した『シェフを「つづける」ということ』(ミシマ社)でも、「つづける」はテーマでした。
でも彼らが憧れている「つづける」は、単純に「長期間残ること」ではありません。
「変わらない」というのも、見た目のことではまったくありません。
本書の28章「パドラーズコーヒー」店主・松島大介さんの言葉を借りれば、
「最初のスピリットを継続しているからすごいんだ」
ということです。
逆説的ですが、日々静かに変わりつづけているからこそ「変わらない」と言ってもらえる、その意味も感じさせる言葉です。
この2、3ヵ月あまりの悶々が、すーっと収まっていきました。
変わらない店。
憧れや尊敬の気持ちが、パーッと広がっていきませんか?
恵比寿のワインバーでポコッと決着。
タイトルは、『変わらない店 ー僕らが尊敬する昭和 東京編』です。
0コメント