dancyuの連載「東京で十年。」は、浅草の「COFFEE COUNTER NISHIYA」です。
西谷さんがふと、「まだSNSがなかった頃の時間」というフレーズをつぶやいて、原稿を書く間ずっとその情景を思い出していました。
まだSNSがなかった頃、私たちは飲食店でどう過ごしていたか。
まだSNSがなかった頃、私たちは何が楽しかったのか。
まだSNSがなかった頃、私たちには、足りないものがあったんだろうか。
今、「COFFEE COUNTER NISHIYA」にあるのは、SNSがなかった頃の静けさと、目の前の人とちゃんと目線が合う会話と、人が人を思ってつくってくれる一杯です。
タイトルは「あなたのために」。
西谷さんの姿勢を表す言葉ですが、じつは飲み手にとっての言葉でもあります。
「おいしい」っていう感覚は、じつは、自分に「はまってる」ことかもしれない。
西谷さんのところに何度か行けば、自分にはまってる一杯が出てくる。
「私のために」淹れられた一杯で、人は、店を出た後の人生をがんばれる気がするんです。
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