忽布古丹醸造/僕らの新しいローカリズム

「僕らの新しいローカリズム」美瑛・東川編の最終回は、クラフトビールの「忽布古丹(ほっぷこたん)醸造」です。

定番ビールは堂々、地元・上富良野産ホップ100%。でも彼らの最終目標は、ホップに限らず「地元産100%」だそうです。

私はそのスペックよりも、造り手の切実な理由に心惹かれました。

「日本のものづくりは、海外の原材料に頼らざるを得ない現状です。輸入価格が高騰するなか、自力では成り立たない日本の産業は、一体どうなっていくんだろう?漠然と持っていた恐怖感が、ここ数年の世界情勢によってさらに強くなりました」


別の取材で、ある移住者が「家族で食べるお米くらいは、自分たちでつくれますよ」と言っていたことに重なりました。

自分たちの暮らす範囲で、自分たちの手でつくる。それは今の時代、圧倒的な心強さですね。

井川直子 naoko ikawa

文筆