共同通信にて、歌代幸子さん著『マダム・トキ物語』(中央公論社)の書評を書きました。これから全国の新聞に掲載されると思います。
レストランを取材し続けてきた一人として、またマダムや女将をテーマに書いている一人としても、じつに興味深い本でした。
ちなみに、私が代官山のレストラン「マダム・トキ」の存在を知ったのは、食の仕事をするずっと前。上京したばかりで、代官山を散歩していたときです。
おとぎの国のような門構えに、素敵なレストランだなあとうっとりし、でも遠い世界の人たちが行くのかなと思っていました。
ドラマ「王様のレストラン」の舞台になった、と知ったのは、この書評を書くことが決まってからです。
私はこのドラマの、ある台詞が今でも印象に残っています。
「悪いけど、私は自分のことをよーく知ってるんです」と突っぱねる、自信を失っているシェフ(山口智子さん)に、伝説のギャルソン(当時の松本幸四郎さん)が返す言葉。
「あなたは自分のことしか知らない。私は100人のシェフを知ってる」
1995年の私に、どういうわけか刺さった言葉。
それからの人生の多くの場面で、私は私のことしか知らない、と思い出すようになりました。
今は取材者として、そう言いたくなるシェフもときどきいるんですけども。笑
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