トラットリア ケ・パッキア

麻布十番に「トラットリア ケ・パッキア」が開店した10年前、もう何年も営業しているかのようなリズム感に驚きました。うん、あれはリズムとしか言いようがない感じ。詰め込んだテーブル席に、さらにギュギュッとなって座る人々。高い天井に響く声。たっぷり盛られたパスタがテーブルにドンと現れて、わぁっと歓声が上がる、という場面が5分に1回くらい繰り広げられます。

気分が良くて楽しくて、お客はどんどん高揚し、手のひらでコロコロ転がるわけです。

これは、岡村光晃シェフ率いる厨房と、ソムリエの小田誠さん率いるホールの見事なパス回しによるもの。今回のdancyu「東京で十年。」の取材で、彼らが「ヴィノ ヒラタ」や「ピアット スズキ」時代からのチームだと訊いて腑に落ちました。

そして10年、岡村シェフとスーシェフの小林篤史さん、小田さんの3人は相変わらずキレキレのパス回し。さらに、そこに円熟味まで加わって、安定感の気持ちよさという新しい感覚を味わわせてくれます。10年のチーム力って、最強だなぁ。

井川直子 | naoko ikawa

文筆業。