Perte(ペルテ)

新米オーナーズ・ストーリーは、千葉県の稲毛まで行って来ました。

千葉、埼玉、神奈川などの東京近郊はなかなか雑誌編集部に取り上げてもらえない地域ですが、面白いエリアだと思っています。実力を持つ料理人やピッツァ職人、コーヒー焙煎士などが独立するとき、自分たちの生きる場所として脱・東京を選んだり。

または町そのもののカルチャーや、新たなムーブメントが起こっていたり。

今回は、昨年の「ナポリピッツァ職人世界選手権(カプート杯)」日本大会のS・T・G部門(マルゲリータまたはマリナーラ部門)で優勝したピッツァ職人、鈴川充高さんが独立した「Perte(ペルテ)」です。

でも鈴川さんは広島出身だし、なぜ稲毛?と訊ねたら、「窯があったから」という想定外の答が返ってきました。同時に、そんな時代になったんだな、とも。

これまで、タイトルを獲ったら都心で華々しく活躍するのが定石でしたが、むしろ獲ったからこそ、どこでもできると考える。

ナポリ式のピッツァ窯を新築し、相応のダクトを設置する経費、加えてそれらを造れる環境を探す苦労などを考えれば、窯があるならどこでもラッキーと考える。

で、与えられた場所で、土地の人に受け容れられる工夫をする。

料理人でソムリエールでもある妻のゆかりさんと2人、ピッツァと同等に料理にも力を入れ、ゆっくり食べて呑んでができる店。地元・千葉の食材を使った前菜盛り合わせは、早くもインスタで人気です。

そして大いに働いたあとは、夫婦仲よく近所の温泉銭湯に行くんですって。楽しそうだなぁ。

井川直子 | naoko ikawa

文筆業。