選書 おいしい本 クロワッサン

「冬の夜に、年末年始のお休みに、がっつり読める食の本」というテーマで、おこがましくも2冊紹介しています。

1冊は木村俊介さんの『料理狂』(幻冬舎文庫)。

レジェンドシェフたちの語りは、読んでいて体の芯が熱くなります。私も取材でお世話になったシェフが何人か登場しますが、こちらの本は独白なので、ご本人の言葉がストレートに伝わります。それも木村さんの、聞き上手、引き出し上手な職人技術のたまものです。

もう1冊は、筒井ともみさんの『舌の記憶』(SWITCH LIBRARY)。

正直いうと、映画に憧れていた20年くらい前、たしか読んだなあというまま眠っていた本。今回もう一度手にとったら、『不肖の娘でも』と重なる記憶があって驚きました。筆者は私より年上で東京育ち、私は秋田育ち。世代と場所は違えども、白玉とか、昭和の家庭ではやはり定番だったのですね。