ダル バローネ

まさか中川英樹さんを、東京で取材するとは思っていなかったなぁ。

2003年に上梓した『イタリアに行ってコックになる』(柴田書店)から始まって、2015年の『シェフを「つづける」ということ』(ミシマ社)、現在まで彼がどう生きるのかを見守ってきました。

中川さんはイタリアで料理を始めたので、イタリアのイタリア料理しか知らない、それが強み。2002年の初取材から数えれば18年、最後はリストランテのシェフを務めるまでに成長した彼の料理は、子どもが成人したみたいにたくましくなっていました。

奥沢という静かな街に開店した「ダル バローネ」は、イタリアワインを愛し、「オステリア・スプレンディド」で修業した鳥山真吾さんがオーナー。社会経験を積んだ鳥山さんと、イタリア経験を積んだ中川さん、大人男子2人のお店です。