コロナをきかっけに、今どきの言葉でいうならワークライフバランス、つまり「仕事と生活の調和」を考え始めた料理人は多いです。
でも「Kuval(クバル)」のオーナーシェフ、久原(くばる)将太さんと、妻でパティシエールの春香さん夫妻が三鷹という街を選んだのは、コロナ前の昨年末。
それまで都心の店で働いていた二人は、初めて三鷹駅に降り立ったとき「緑が多くて、ライフとワークのバランスがいい街だな」と好きになったそうです。
今思えば、1月にトイレや家具など発注しておいたのは幸運(輸入が止まる前だったから)、2月から自分たちも参加して内装をしている間に不穏な空気が忍び寄り、営業許可がおりたのは4月、緊急事態宣言当日でした。
独立オープンなのに、レストランをオープンできない!ならばテイクアウトから始めよう、とする夫妻のインスタグラムはいつでも、明るかった。理由を訊ねると、将太さんは言いました。
「妻が前向きなんですよ」
春香さんは、テイクアウトの料理を朝の光で撮影し、インスタグラムにアップしていました。
『料理通信』の連載「新米オーナーズストーリー」は、ゆったりと構える力、というものを感じた若い夫婦のレストランです。
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