2019.09.26 04:54祖餐 so san 「食楽」平成に「昭和の名酒場」と言われる店が愛されたように、令和の時代、「平成の名酒場」となる店がきっとあるはず。イカワさん、思い浮かぶお店はありますか?編集部からのうれしい質問に、心あたりがありすぎて、挙げすぎて、書けるのは一軒だけですと笑われました。その一軒が「祖餐 so san」です。あの名著といえるお品書きへの考察を楽しく書いていたら、気づけばお品書きの話だけで文字数の3分の1を使っていたのだけれど、ま、いっか。この伸び伸び放題の原稿を許してくれた編集部と、何より「祖餐」の石井さんご夫妻に感謝です。錚々たる酒場先生たちもご登場。最大公約数ではない、それぞれの偏愛チョイスが最高ですよ。
2019.09.25 08:36Perte(ペルテ)新米オーナーズ・ストーリーは、千葉県の稲毛まで行って来ました。千葉、埼玉、神奈川などの東京近郊はなかなか雑誌編集部に取り上げてもらえない地域ですが、面白いエリアだと思っています。実力を持つ料理人やピッツァ職人、コーヒー焙煎士などが独立するとき、自分たちの生きる場所として脱・東京を選んだり。または町そのもののカルチャーや、新たなムーブメントが起こっていたり。今回は、昨年の「ナポリピッツァ職人世界選手権(カプート杯)」日本大会のS・T・G部門(マルゲリータまたはマリナーラ部門)で優勝したピッツァ職人、鈴川充高さんが独立した「Perte(ペルテ)」です。でも鈴川さんは広島出身だし、なぜ稲毛?と訊ねたら、「窯があったから」という想定外の答が返ってきました。同時...
2019.09.07 03:01一生ついて行く 2019.8.31 久しぶりの友人と会った時、お互いの出張やら移動の話になって、彼女の夜行バス旅の顛末を聞いた。 大人になっての11時間は体に堪えそうだし、と心配しつつも、時間の都合を考えれば唯一の手段。朝着けばすぐ動ける。そう意気投合した女二人旅だ。 自宅から新宿のバスターミナルまでは程近い。との油断がたたったのか、出発前の自宅待機中、ついうとうとしてしまったらしい。 すわ遅刻! 走るタクシーから、バスの中で待つ相棒に実況中継しつつ、1分遅れで到着というところまで追い上げた。相棒は「あと1分で着くので待っていただけませんか」と運転手に懇願。だが、バスはきっちり定刻に出発した……。 本題は、ここから...
2019.09.06 03:40ピアッティイタリア食材店「ピアッティ」が、駒場東大前に実店舗を開店してからの10年を書いています。その前身はウェブショップ。1990年代から2000年半ばまでの日本には、イタリアに憧れて、一度ならずも二度三度と旅をして、しかも行く度にどんどん好きになるという、イタリア病にかかってしまった人たちが多いと思います。「ピアッティ」店主の岡田幸司さんもその1人。しかも彼は建築からイタリア食材の輸入業者、食材店店主へと仕事まで替えたのだから重症です。でも今、私たちがこんなにもイタリアの食を身近に楽しめるのは、イタリア病をとことん突き進んできた彼らの情熱のおかげです。