2019.12.28 02:10蕎麦屋のできごと 2019.12.21 蕎麦屋のできごとである。 ある休日、夫と遅い昼の蕎麦屋酒をしようと考えて、通し営業の店をインターネットで探し出した。営業時間よし、定休日よし。指差し確認をし、店に着くと、空いている幸運を喜んだ。「あさりの山椒煮と板わさ、だし巻き玉子と瓶ビールを。お蕎麦は後でお願いします」 はい、と一度下がった店員はあさりと板わさを持ってやってきたついでに、ラストオーダーなので蕎麦を食べるなら今、注文せよという。「あれ? 通し営業では?」 店員は貼り紙を指して、先週から変更になりました、と言った。注文締切まで5分、閉店まで35分。せいろを追加するなら同時にどうぞ、とも言う。...
2019.12.25 00:52佐渡 長三郎今回は初の地方編。新潟・佐渡島の町鮨「長三郎」です。日本酒ジャーナリストの藤田千恵子さんが、この町鮨のために新幹線ときに乗り、ジェットフォイルに乗り海を渡ってやって来る。よっぽど美味いお鮨?もちろん佐渡のブリもカニもアワビも待っているけれど、彼女を惹きつけるのはまた別の理由でした。
2019.12.25 00:21件 樋渡 三燈舎今月は、理想の働き方を叶える店づくり特集。特集では、「樋渡」と「件」を担当しました。「樋渡」は、芝という渋い土地に開店したイタリア料理店。シェフ、原さんの、〝料理人としてのストレス〟のない店づくりとは。「件」出身者はなぜ成功するのか?というビジネス書みたいなタイトルのページは、夜22時からスタートした座談会。それぞれ飛ぶ鳥な店主ばかりなのに、「テルさん」の一声でぴたりと全員集合。どの時代も、人を雇う、人を育てるのが一番難しいといわれる中、「雇われる側」「育てられる側」の気持ちを聞いています。連載の新米オーナーズストーリーは、南インド料理「三燈舎」。インド料理だからって、象の置物も神様の絵もありません。「働き方」って一律じゃない。だから改革も一律ではいけ...
2019.12.19 07:05ザ・ブラインド・ドンキー penサステイナブルがテーマの本特集。神田の「ザ・ブラインド・ドンキー」を担当しました。アメリカ「シェ・パニース」の元料理長、ジェローム・ワーグさんと、原川慎一郎さんの取り組み。心地よいレストランは、生産者と生産地、流通システム、在来種の保存などさまざまなこととつながっていて、私たち食べ手に気づきをくれました。以下は、私の最後の一文です。まずは知ること。正しいかどうかというよりも、知って選んだほうが、人生はもっと自分のものになる。
2019.12.11 03:41ホスタリア エル・カンピドイオ年末恒例「東京で十年。」スペシャル・エディション。「ホスタリア エル・カンピドイオ」の10年。と、「カピトリーノ」の31年です。つまり、東京で41年。吉川敏明シェフの「なぜイタリアだったのか」を書くには、最初の東京オリンピックまで遡る必要がありました。シベリア経由で最短でも25時間かかった国。一生暮らすつもりだったローマ。吉川さんは、いつか帰るつもりで、コックコートをイタリアに置いてきたのだそうです。だから日本では、ずっとチェックのシャツにエプロンでした。吉川少年が、日本のイタリア料理を育てる人になるまで。そして今。吉川シェフのお料理は今なお、いや、さらにぞわっとするほど艷やかです。
2019.12.08 00:45僕らが尊敬する昭和next.もまとめてどうぞこちらもdancyu web、「僕らが尊敬する昭和next.」は第三回までアップ中です。第一回はさいきとワルツ、第二回はふじ芳と蕪木、第三回は鳥樹とTOKUYOSHI。ナチュラルワイン、珈琲とチョコレート職人、イタリア料理人の尊敬する昭和の店やいかに。
2019.12.08 00:19みんなの町鮨 まとめてどうぞdancyu web「みんなの町鮨」はただいま第八貫、絶賛連載中。うっかり告知しそびれがたまってしまったので、こちらから一気に全部読んでもらえます。第一貫は私、井川の愛する町鮨。第二貫は料理家・瀬尾幸子さん、第三貫は日本人初のイタリア人・ハヤシコウさん、第四貫は料理専門出版社社員・中宮さん一家、第五貫は「バルトリツカレ男」の一瀬智久さん、第六貫は美容師の山本リエコさん、第七貫は日本酒&スワローズ女子の比留間深雪さん。そして最新、第八貫は「パッソ・ア・パッソ」有馬シェフご夫妻。みんながそれぞれに楽しむ町鮨、ぜひ読んで体験してみてください。
2019.12.07 23:57ボーペイサージュ Numero Tokyo2017年12月、雑誌「Numero Tokyo」に寄稿した特集「テロワールを巡る冒険」がウェブで読めるようになりました。私は、山梨のワイナリー「ボーペイサージュ」の岡本英史さんの思想について書いています。ほかに、バタフライプロジェクト、鎌倉「祖餐(そさん)」、中目黒「ワインストア」、江古田「パーラー江古田」も担当。
2019.12.07 23:37選書 おいしい本 クロワッサン「冬の夜に、年末年始のお休みに、がっつり読める食の本」というテーマで、おこがましくも2冊紹介しています。1冊は木村俊介さんの『料理狂』(幻冬舎文庫)。レジェンドシェフたちの語りは、読んでいて体の芯が熱くなります。私も取材でお世話になったシェフが何人か登場しますが、こちらの本は独白なので、ご本人の言葉がストレートに伝わります。それも木村さんの、聞き上手、引き出し上手な職人技術のたまものです。もう1冊は、筒井ともみさんの『舌の記憶』(SWITCH LIBRARY)。正直いうと、映画に憧れていた20年くらい前、たしか読んだなあというまま眠っていた本。今回もう一度手にとったら、『不肖の娘でも』と重なる記憶があって驚きました。筆者は私より年上で東京育ち、私は秋田...
2019.12.07 23:08パーティ手みやげ anan「年末パーティに持っていく、おすすめの泡もの」というテーマで、イタリアの職人ビール・バラデンの「イザック」と、宮城県の農場+ワイナリー・ファットリア・アル・フィオーレの「クラフト・ヴィーノ」を紹介しました。