2022.04.19 05:36按田餃子dancyuの連載「東京で十年。」は、代々木上原「按田餃子」の十年。店主は料理家の按田優子さんと写真家の鈴木陽介さん、別にれっきとした本業を持つ二人です。取材は鈴木さんだけリモート参加でした。キラキラでふかふかのお座布団に鎮座するノートパソコン、画面にニコニコと現れた鈴木さんはまるでご本尊のようでありがたさ満開。おなか痛くなるほど笑いっぱなしの取材でしたけど、お二人はすべてがひたむきで、でもやっぱりなんかどこか可笑しみがあって。あの惚れ惚れするコピー『助けたい包みたい按田餃子でございます』の誕生秘話もそうでした。一つは本誌で読んでいただくとして、じつは原稿に書ききれなかったもう一つの秘話は、スーパーマーケットの歌。鈴木さんは下積み時代、買い物に行く度に...
2022.04.19 02:38瀬戸谷もみじの「和」紅茶『月刊日本橋』に連載中の、「食の源をたどれば」第16回は、静岡の和紅茶「瀬戸谷もみじ」です。かつて明治時代の日本では、欧米で人気の紅茶を輸出すべく、政府が緑茶からの生産転換を推奨していたそうです。けれど戦後に輸入自由化となり、海外製の紅茶が押し寄せて国産紅茶は誰も作らなくなっていきました。ただ、少数ながら情熱を持って紅茶をつくり続けている生産者も、いたのです。海外の技術を学びながら、ない機械は自分たちで手作りし、日本の紅茶を。日本人は海外のプロダクトを真似するのが得意ですが、いつの時代も「似たものを」ではなく「日本ならではの」ものに仕上げようとします。といっても名前やエッセンスだけ抜き取った強引な個性ではありません。いつだったか、イタリアで聞いた言葉を...