2023.04.18 03:12『東京で十年。』4月18日発売dancyuの連載「東京で十年。」が書籍化。『東京で十年。 店をもつこと、続けること』(プレジデント社)となりました。dancyuでの連載が始まったのは2014年4月号から。第1回は「オステリア ナカムラ」。料理が好きで好きでというシェフと、気働きの利くマダム、ご夫婦で営むイタリア料理店です。こういう、ささやかな存在でもしっかり愛されて10年経ったお店の話を書きたいと、ずっと考えていました。スクラップ・アンド・ビルドの街、東京で10年続く店は1割ともいわれるなか、10年の場所に立ったとき、彼らは何を思っているのだろう?訊ねてみたくなったのが小さなきっかけです。その頃、さまざまな編集部から求められるのは「新しい店」で、特集記事の候補店探しでも「3年以内の...
2023.04.17 02:29新連載「女将のいる場所」@おとなの週末雑誌『おとなの週末』4月(5月号)から、隔月で新連載「女将のいる場所」が始りました。かつて別の雑誌で連載していた「地球は女将で回ってる」と同じチームで、写真家は大森克己さん、編集は中川節子さん。第1回は、浅草「水口食堂」です。今回、私は物語でなく「プロフィール」を書こうとしています。書籍『変わらない店』(河出書房新社)で、お店と店主のやや長いプロフィールを書いて、そのおもしろさに目覚めました。私はレシピにも文学があると思っていますが、プロフィールにもある。ちょっとしゃっちょこばって言うと、プロフィール文学。あるならば書いてみたい、と思ったわけです。「女将のいる場所」は、写真も1点、文章もタイトなハコ組です。淡々と描く文章(プロフィールなので)、そこに私...
2023.04.10 03:20新刊『ピッツァ職人』予約開始(5月19日発売)4月に続いて、5月20日に新刊『ピッツァ職人』が発売されます。リアル書店ではひと足早く、5月12日に販売開始。予約はすでにスタートしています!こちらは書き下ろしのノンフィクション。日本に「ナポリピッツァ」なるものがやってきて、天井知らずに盛り上がっていった時代。16歳でピッツァと出合い、17歳で職人になり、18歳でナポリへ渡った少年がいたーー。本書は、ピッツァ職人・中村拓巳さん(ピッツェリアGG)の成長を縦軸にしながら、日本におけるナポリピッツァの到来と熱狂、そして浸透、ピッツァに魅せられたさまざまな職人たちの物語といったアナザーストーリーが横軸として交錯していく、イカワ史上初の大河ドラマです。ナポリとは、どんなところだろう? ナポリピッツァとはなんだ...
2023.04.10 02:53書籍『東京で十年。』予約開始(4月18日発売)dancyuで連載中の「東京で十年。」が、書籍になりました!書籍タイトルは『東京で十年。 店をもつこと、続けること』(プレジデント社)。発売は4月18日ですが、予約は始まっています。長野陽一さんの写真と、井川直子の文。雑誌とはまた違った世界観を味わってみてください。本書では、第1回〜50回までを収録(51回以降のお店のみなさま、待っててね)。
2023.04.06 04:45連載第100回「あめつち」@東京で十年。2014年4月号からスタートした、dancyuの連載「東京で十年。」が今月号で第100回を迎えました。歳月でいうと、ちょうど9周年。これから10年目に突入です。「東京で十年。」が10年となるれるのか?!この記念碑的な第100回は、日本酒と料理の店「あめつち」です。どの駅からも遠く、区役所のいなくなった区役所通りにあり、木造一軒家で女性店主が一人で営むささやかな店。ある酒場の店主は、「あんな不便な場所で十年続けていらっしゃるのは、僕らの希望」と言っていました。当の店主は、今夜も淡々と、7席のためにおひたしを作り、燗をつけます。私もいつものように100回を書き、101回めを迎えたいと思います。
2023.04.03 05:43山形の、優しいさらり汁山形・赤湯温泉で味わった「さらり汁」。郷土料理でもなく、地元の、それもご年配しか知らないお味噌汁ですが、なんとも可愛いネーミングです。日本中が貧しかった時代の、豊かな食卓。
2023.04.03 02:21IN/SECTS 16号 本をつくるふきのとうみたいに、まだ土の上に出きっていない、時代の芽を見つけてくれる雑誌。IN/SECTS(インセクツ)にはいつもドキドキさせられます。16号は「本をつくる」という特集。『不肖の娘でも』ただ1冊を出版した、リトルドロップスも片隅に掲載してもらいました。いまや地方でも、個人でも本をつくっている時代。というかむしろ、地方や個人の本が抜群に刺激的で元気な時代。もちろん、読み手に届くまでの道のり、採算が取れるかどうかなどの苦労はありますが、表現する側の人間としては限りなく可能性を感じる小さな媒体だと思っています。電波でなく、手で触れることができる紙である、という物質性。大きさと形・デザイン・綴じ方といった物体としての存在感。サブスクでなくレコードで音楽を聴...