2024.11.25 11:52高清水 20回連続金賞受賞記念酒 加藤均 寄稿「高清水」加藤均杜氏の20回連続金賞受賞記念酒、その記念冊子にエッセイを寄稿しています。「高清水」は、私が小さい頃から台所にあった日本酒です。秋田県秋田市は、その小さな範囲でもさまざまな日本酒があり、地縁と人の縁から家庭の定番が決まっています。で、うちは高清水。まだ「地酒」なんて言葉もなかった時代。時代は目まぐるしく変わり、日本酒蔵は絶体絶命期を経て、今再び自分を取り戻し愛されるお酒になってきました。その立役者として、新世代の蔵元・杜氏が注目されています。秋田に帰る度に感じるのは、伝統も革新もあたりまえに混在している有り難さです。そんななか、加藤均さんと、彼ら御所野蔵が造る「高清水」にはスタンダードの品格を感じます。これは難しいこと。目新しさに飛びつか...
2024.11.18 03:07小屋束豆腐店/僕らの新しいローカリズム『 蒜山耕藝』がい営むカフェ『くど』で、松井さんを紹介されたのは9年前。「もうすぐ移住する豆腐職人がいるんです」岡山の丸い山々に囲まれた蒜山で、今どき「豆腐職人」というワードも新鮮だったが、現れたのが1985年生まれのニット帽を被った女性、というフレッシュなビジュアルも想定外。そんなお話から始まる、今回の『小屋束豆腐店』。あらためて訪れると、彼女はお母さんになり、豆腐職人の顔になっていました。地釜と、蒜山の薪の火でつくるお豆腐です。大豆を釜で温めているときは、工房にふっくらとした香りが満たされて、しあわせーな気持ちになりました。#僕らの新しいローカリズム #蒜山 #小屋束豆腐店 #豆腐
2024.11.14 10:08マンマのパスタ/クオーコ・ジャポネーゼイタリアのマンマというと、やっぱり思い出す映画「グランブルー」。enzoのマンマの白くてもりもりのパスタ(ペペロンチーノ説あり)。映画の公開から30年以上が経つけれど、イタリアのマンマはやっぱり太陽のごとき絶対の存在なんですね。今日もパワフルで明るく、美しく!私の連載「クオーコ・ジャポネーゼ」のテーマも「マンマのパスタ」です。
2024.11.10 02:11弘前のお漬け物は野菜料理/月刊日本橋トピナンブールという、イタリアやフランスのレストランではエレガントなスープで供される野菜が、弘前の市場で漬け物になっていた、という衝撃の思い出から始まる今回。雪深い弘前の、漬物文化は素晴らしい。やはり食文化は創意工夫の結集です。ちなみにトピナンブールって、菊芋のことなんです。
2024.11.10 02:08メルシーベイク/東京で十年。「ほとんどの人間は、じつのところ自由を欲しがっていない。なぜなら自由には責任が伴うからである。ほとんどの人間は、責任を負うことを恐れている」そう言ったのはフロイトだそうですが、じゃあこの自由とは、責任とは、いったい何を意味するのでしょう。自由と責任ってあまりにも聞き慣れたペアリングで、うっかりするとありきたりに「そうだよね」なんてわかったふりをしてしまいそうになるけれど、今回の「東京で十年。」は、そこを曖昧にしない人のお話です。「メルシーベイク」の店主で菓子職人、田代翔太さん。彼は、自分が求める「自由」の中身が何かがわかっていて、「責任」のヒリヒリするような手触りも感じている。それでいて「恐れない」。気骨ある職人とお店の十年です。