2020.03.29 08:31ワイン醸造家 ジャン=マルク・ブリニョさん佐渡島のワイン醸造家、ジャン=マルク・ブリニョさんを訪ねたインタビューです。あれは昨夏のこと。クラクラするような暑さで、そのぶん海風が気持ちよくて、くまコーラがおいしくて。「孤高の醸造家」ともいわれるジャン=マルクさんですが、ご本人もご家族も、穏やかでした。ワインとは「生きるのに必要ではないが、魂には必要なもの」。そう、魂に必要なんです。
2020.03.11 06:08グリルさんばんとスプレンディド亀有の人は、街にも、街の人の下町気質にも、ついでに「こち亀」にも誇りを持っているみたいです。今は東京の西側、恵比寿のエレガントなリストランテ「オステリア スプレンディド」で、繊細な料理を表現している小早川大輔シェフもバリバリの亀有っ子。尊敬するのは、家族と一緒に通っていた商店街の洋食屋「グリルさんばん」でした。まんまスナックの、入りづらーいお店なんですが、じつはシェフ(みんなはマスターと呼びます)、帝国ホテルで村上信夫氏に師事したフランス料理人です。土屋治幸さん、治子さんと名前もお揃いの睦まじいご夫婦は、どうしても「二人の店」を持ちたくて独立。それ以外の贅沢は言いません。しかしですね、開店当初の物件が洋食屋の居抜きだったからフランス料理店でなく洋食屋に...
2020.03.07 03:45「サプライ」小林希美さん新連載が始まりました。「地球は女将で回ってる」@食楽。レストラン取材では多くがシェフが主役。しかしシェフを支える、あるいは伴走する、場合によっては手のひらでコロコロする女将こそ真の支柱。昭和の店だって、女将の目配り気配りが行き届いたお店は繁盛するし長く続く。令和の今、割烹着と着物からダブダブのTシャツとブカパンツにユニフォームは変わっても、女将の存在意義は通じるものがあります。という思いで始まった連載を、写真家の大森克己さんと編集者の中川節子さん、尊敬するチームでできる幸福。タイトルはウディ・アレンの映画から。本文も「神はともかく、女性は存在する。天国じゃなくてこの世にいる」という彼の言葉から始まります。第1回は、もしこの連載が実現できたら最初にお願い...
2020.03.07 02:46桑原商店五反田に「桑原商店」を見つけたときの嬉しさったらなかった。古い酒屋の倉庫を新しくリノベートして、ざっくりした倉庫っぽさとアートっぽさが同居している。とんがった空間。だけど迎えてくれるのはお父さんお母さん、息子に従兄弟のお嫁さんという家族だ。4代目はアートの仕事をしていて、いわく、美術のキュレーションは酒屋の仕事に通じる。本当にすべてが置き換えて考えられる、目からウロコの方程式。エッジと昭和が同居する、血の通った新しさです。
2020.03.07 02:29エンリケ マルエコス取材は、朝の光の中で。人生って本当に「ひょん」なことによって決まっていくけど、でも「ひょん」の前には切実な意志がある。小川歩美さんの、モロッコである理由がわかりました。ところで取材中、彼女は「〜するのが生まれたときから好き」というフレーズをよく使っていて、ユーモアがあってきっぱりとした、とても小川さんらしい言葉だなぁって思ったので原稿にも書いています。タイトルは、「自分の心が喜ぶように」。私は、自分の心を喜ばせてあげているのかな?心の声、今度ちゃんと聞いてあげよう。dancyu連載「東京で十年。」は、東北沢のモロッコ料理店「エンリケ マルエコス」。
2020.03.03 03:07金多楼寿司みんなの町鮨@dancyu web。「葡吞」の女将・くまちゃんと、キュートな映画監督の旦那さん・熊坂出さんは七夕のような夫婦です。昼夜逆転のすれ違い生活、だけどおいしいごはんでつながっているからすれ違わない。三宿の町鮨「金多楼寿司」は、かつてにぎやかな商店街のあったこの町で、じつに半世紀です。大将は江戸前の古い仕事を継ぎながら、「墨烏賊にはロランジェの塩」とおっしゃるしなやかさ。かっこいいなぁ。「葡吞」といえばナチュラルワインですから、ナチュラルなシャンパーニュ&ワインを持ち込んでのお鮨、新しい世界です。雲丹のために生まれたようなペコリーノ(アブルッツォの白ワインのほう)を知ってしまいました。
2020.03.03 02:58Road to 蔵人私の大河ドラマです。2019年の夏、私は1週間だけ蔵人になりました。日本酒の蔵を取材することはこれまでもありましたが、蔵に入って仕事をするのは初めてです。たったの1週間で仕事とか蔵人とか、おこがましいのは重々承知ですが、それでも1日見学して取材するより見えてくるものがある。そう信じての1週間。前夜+4回の大河ドラマになりました。ちなみに、原稿ではタイトルを、私のデビュー作『イタリアに行ってコックになる』へのオマージュで『佐渡島に行って蔵人になる』でしたが、さくっと却下されていますね(笑)。