2022.11.29 05:48Pen クリエイター・アワード 2022 選考カルチャー誌『Pen』による「 クリエイター・アワード」は、今年の顔ともいえる、1年で最も輝いたクリエイターたちに贈られる賞。第6回を迎えた今年は、演劇・歌舞伎、映画、デザイン、音楽、建築、漫画、アニメーション、ファッション、広告、そして食など多岐にわたる表現世界の中から、編集部選考の6組+各分野の推薦人による特別賞10組、計16組のクリエイターが選ばれました。私は「食」における特別賞の推薦人として、「Villa AiDA(ヴィラ アイーダ)」のシェフとマダム、小林寛司さんと有巳さんを選出しています。自分たちが生きている土地、というアイデンティティを持つレストラン。2022年の今、ようやく開花したローカル・ガストロノミーの序章は、このふたりから始まった...
2022.11.24 10:00東京で十年。と、四十五年。毎年恒例?になりつつある、dancyu連載「東京で十年。」のスペシャル・エディション3ページ。2022年は2号連続のスペシャルで、その第1弾は「東京で十年。と、四十五年。」の親子鷹です。息子のスペイン料理店「サル イ アモール」は、東京で十年。父の「エル カルテリャーノ」は、東京で四十五年。父の店は、日本人がまだほとんどスペイン料理を知らなかった1977年に創業して、日本人の口に「合わせない」店を続けてきました。「日本人はがんばり屋だけど、人に合わせることをがんばる。それで偽物になるなら、そのがんばりは間違っています」まるで「王様は裸だ」と言うようなまっさらな言葉は、どんな仕事をする人にも響きます。息子は同じスペイン料理店でも、個人店の父とは違う「より...
2022.11.09 09:15丸正酢醸造元の、祈りの「酢」月刊日本橋「食の源をたどれば」題23回は、丸正酢醸造元。常々、日本酒蔵は神社に通じていると思っていたけれど、お酢の蔵もまた然りでした。世界遺産の熊野古道を有する那智勝浦で、明治12年から酢造りをしている丸正酢醸造元。仕込み水は、滝自体が神社の御神体である那智滝の伏流水。という霊験あらたかなお酢の蔵ですが、三代目の小坂晴次さんは豪快、愉快なお人柄。木桶に「羽黒山」「双葉山」など歴代横綱の名をつけて呼び、「彼ら」に法螺貝を、ブオオ〜っと聴かせていました。今回、エッセイを書くにあたり連絡をすると、小坂さんは2019年に93歳で他界されていました。でも、最後の挨拶を生前に自身で録音し、BGMまで決め、お通夜もお葬式も自己プロデュースされたそうです。あの笑顔と、...
2022.11.01 13:47『イタリア好き』新連載。新連載、始まりました。濃度高めなイタリア料理店やバールなどで無料配布されている『イタリア好き』で、連載では初めてのフィクションです。編集長のマッシモ松本さんから、小説書いてみませんか?と言われた時はまさにこんな顔😳。小説、恥ずかしながらほとんど読まないし書いたことないしなぁ。あ、一度だけ『エスクァイア』で「ビール目線で物語書いてみて」って依頼のフィクション書いたっけ。などとお昼から編集部のお二人とワイン飲んで楽しく喋っているうちに決定してました。笑小説になってるかはわかりませんが、空想のお話です。でも、これまでの取材の記憶から生まれた物語なので、ノンフィクションとフィクションの間を行き来するような文章かもしれませんね。タイトルは「クウォーコ・ジャポネ...