2024.05.23 02:03“おいしいパン”じゃなくていい/おおば製パン今夜の満月はフラワームーンだそうです。この日に公開された、DEAN&DELUCA WEB『僕らの新しいローカリズム』函館編08は、森町の「おおば製パン」。名の通り森に恵まれた土地で、パン職人の大場隆裕さんは古い製法のパンを焼いています。粉と水を混ぜて寝かせた発酵種を使い、乳酸菌の働きによるフレッシュな酸味が特徴です。不思議なことに、焼きたてよりもむしろ日が経つごとに落ち着いていく、ごはんのようにしみじみとした味わい。大場さんの言葉が印象的でした。「“おいしいパン”じゃなくていいんです。つくりたいのは、ひと口でおいしい!と感じるグルメ的なものではなく、原点のようなパン」彼は「本場そのもの」というよりも、「原点」「自然」「本質」といった場所を目指し...
2024.05.13 14:00デイ・ドリーム・ビリーバー/秋田魁新報社母についてのエッセイを書きました。忌野清志郎さんの曲、「デイ・ドリーム・ビリーバー」に秘められた母への思いと、私自身の母への感情が重なった瞬間のお話です。秋田魁新報 リレー連載「遠い風 近い風」 2024.4.27
2024.05.07 01:10クオーコ・ジャポネーゼ °7イタリアで修業中のコックたちは、誰だって料理を学びたいと思って来ているはずですが、学び方はさまざまです。仕事中は働くけれど、休憩時間は休憩だからとゲームに没頭する人。休憩中もイタリア語を覚えようとラジオを聴いたり、店のイタリア人にとにかく話しかける人。机に向かって料理やワインの勉強をする人。さまざまですが、日本人の傾向としてよく聞こえてきたのは、店の中、もっと言えばテーブルの上のことばかり見るということでした。限りある滞在期間に効率よく学ぼうと思えば、集中したくもなりますよね。でも自分の生まれ育った場所ではない、よその料理を学ぶには、その土地を知り人を知らないことには始まらない。『イタリア好き』のフィクション連載「クオーコ・ジャポネーゼ」は第7回。今回...
2024.05.06 00:47アミニマ/東京で十年。dancyuの連載「東京で十年。」は、2014年6月、神宮前にオープンしたビストロ「アミニマ」です。当時、ワイングラスのステム(脚)を取ったタンブラータイプのグラスが広まり、ワインを「コップ酒」的に楽しみたい流れがありました。そんな時代の気分を表現したビストロ。オーナーソムリエの鳥山由紀夫さんは、幼い頃から筋金入りの外食好き、レストラン好き。阪神淡路、東日本、熊本といった震災やコロナ禍のたびに、自分たち飲食店の存在意義を考え直し、悩みながら歩んだ十年でした。
2024.05.02 00:22GINZA SIX magazineGINZA SIXが発行するフリーマガジン『GINZA SIX magazine』。「アートとモダンラグジュアリーの最前線をスタディする」という特集内の、「モダンラグジュアリーを再定義する4つの視点」にて、食の視点から発言しています。イータリー、ビチェリン、てんぷら山の上、IMADEYAなど、もっと知ってほしい&再確認してほしいお店やプロダクトが多いのです。
2024.05.01 00:36函館、イカ塩辛への偏愛函館の市場で、驚くべきバリエーションを展開するイカの塩辛コーナーを見つけた。イカの塩辛って一つじゃないの?へー!なんて驚くあなたの土地にもあるかもしれない。たとえば秋田のさきいか、青森の筋子、群馬のこんにゃく。そういった、局所的に深堀りしてゆく食の偏愛現象が。地元が誇る食、日常に根づいた「俺たちの宝」だからこそ一人ひとりにこだわりが生まれ、それらのニーズに対応すべく細分化されていった、というのが私の仮説。そんな「豊かさの細分化現象」について書いています。