2025.06.27 12:24品書き文学/本の雑誌はじめて『本の雑誌』に寄稿しました。「メニューを読書する!」という特集の7月号です。「どんな話でもいい、どういう書き方でもいい」という、ひゃっほー!なご依頼。なんて楽しいんだろう。子どもが野に放たれたように、心のナンバーワンの品書きについて書きました。鎌倉「祖餐(そさん)」の品書です。石井さんの文字も、束ねられた存在も、このねこ背を正したくなる文学です。
2025.06.19 13:22忽布古丹醸造/僕らの新しいローカリズム「僕らの新しいローカリズム」美瑛・東川編の最終回は、クラフトビールの「忽布古丹(ほっぷこたん)醸造」です。定番ビールは堂々、地元・上富良野産ホップ100%。でも彼らの最終目標は、ホップに限らず「地元産100%」だそうです。私はそのスペックよりも、造り手の切実な理由に心惹かれました。「日本のものづくりは、海外の原材料に頼らざるを得ない現状です。輸入価格が高騰するなか、自力では成り立たない日本の産業は、一体どうなっていくんだろう?漠然と持っていた恐怖感が、ここ数年の世界情勢によってさらに強くなりました」別の取材で、ある移住者が「家族で食べるお米くらいは、自分たちでつくれますよ」と言っていたことに重なりました。自分たちの暮らす範囲で、自分たちの手でつくる。そ...
2025.06.14 12:21「たむらパン」田村真紀子さん/女将のいる場所連載/女将のいる場所は「たむらパン」の田村真紀子さんです。美術とおいしいものの感度が高い彼女は、見つけることが得意。誰も知らない、うんともすんとも言われない時代は、クリエイターにとって最も深い暗闇です。その時代に見出し、声をかけ、励ますことを審美眼と呼ぶのだと、取材して感じました。
2025.06.09 11:55うちの味/中村好文さん新しくなったdancyu。連載「うちの味」第2弾は、中村好文さんです。私が最初に出合った建物は、長野の「イタリア食堂みたに」。京都の永田シェフが、まだおぼこい時代に働いていたお店です。その後、農楽蔵さんや月とピエロさんや、さまざまな取材先でお名前を聞いていました。料理と、それを食べる空間。そんなあれこれをぜひお訊きしたいと思っていた方です。色彩感覚や居住性。言葉にならない感覚は、幼少期から育まれるものなのだと知りました。
2025.06.01 11:16オープンマインドな長崎のハトシ/月刊日本橋『月刊日本橋』の連載、今月は長崎です。麦焼酎のフレンドリーな感じは、長崎の人に似ているなぁと。食べ慣れない味を「おいしい」と認めるのは、たやすいことではないけれど、彼らはオープンマインドと好奇心をもって受け入れてきた。だから長崎には万華鏡のように、さまざまな視点の「おいしい」がたくさんあるのだ。ということを、「ハトシ」で考えました。
2025.05.15 04:41SSAW BIEI/僕らの新しいローカリズムDEAN&DELUCAのWEBサイト「僕らの新しいローカリズム」に、最新回アップされました。美瑛・東川編の「SSAW BIEI」。料理家・たかはしよしこさんが営むカフェレストランです。紙の雑誌『DEAN&DELUCA MAGAZINE』のほうでは、たかはしさんがなぜ移住を選んだのか、ご家族との美瑛での暮らしぶりなどにフォーカス。こちらのWEBサイトでは、シグネチャーの「丘スープ」や映画『First Love』から生まれた「初恋ナポリタン」のこと、料理家を刺激する「個性のキビキビした」生産者たちとのつながりをお伝えしています。
2025.05.15 04:27SSAW BIEI/dean&deluca magazine2025年4月28日発売、『DEAN & DELUCA MAGAZINE』11号。新刊のテーマは「自分から愛すること」です。編集長・松浦弥太郎さんからのメッセージが、全体に散りばめられています。私は料理家・たかはしよしこさんの、美瑛への移住について書いています。「気持ちいいのは、ぜんぶぜんぶ山のおかげ」この言葉がすでに気持ちいい。ご家族との暮らしぶりをぜひ読んでみてください。
2025.04.23 11:56アンティカ・ピッツェリア・ラジネッロ/あまから手帖あまから手帖5月号の特集、「京都の、わざわざ。」。京都の郊外は、また別の地方みたいでおもしろいですね。私の担当は宇治市。「アンティカ・ピッツェリア・ラジネッロ」の物語です。オーナー・ピッツァイオーロの大削恭介さんは、自身がすでにピッツァ職人世界選手権日本大会優勝者(2023年クラシカ部門)なんだけれども、彼が東京で9年働いた「ピッツェリア G G」の河野智之さん、中村拓巳さんを好きすぎる。お店の顔というべき入口に飾ってあるポスター(©️長野陽一さん)は、自分のでなく「G G」中村さんのピッツァだし、厨房には彼らの写真。「二人にいつも見られているぞ、と思うと、身が引き締まるから」ナポリでつながる彼ら。まったく、ナポリってなんなんだろう?って、ちょっと羨...
2025.04.22 11:07チャリティー蒸留酒 by BEAU PAYSAGE×新政酒造×エシカル・スピリッツ3月22日は、国連が定めた「世界水の日」。今、安全な水を手に入れられる人は地球上のごく一部。でも水は、地球の全員にとって命をつなぐものです。この日に、ワイナリー「BEAU PAYSAGE」のオー・ド・ヴィー(命の水) と、日本酒蔵「新政酒造」のスピリッツによるセットが発売開始。売上(経費と原料費を除く)のすべてが、国際NGOのウォーターエイドに寄付されます。僭越ながら、私はこの発表会で司会を務めさせてもらいました。なぜワインと日本酒で蒸留酒?それは、「未活用素材」を活用しているからです。お酒を仕込んでも、市場に出すことを見送ったり、タイミングを見計らうなどさまざまな理由で蔵に眠っているお酒がある。ナチュラルな造りを目指せばなおさら、リスクは高まりますよ...
2025.04.16 11:51「蕎堂 壮」中村ゆかりさん/女将のいる場所取材時の東京はまだ桜も咲いていなくて、それどころか寒波もきちゃってぶるぶるしてましたが、編集の中川さんから「春をお届け」ってタイトルとともに届いたのが、大森さんの写真でございます(誌面でぜひ)。もう、わおー❣️って気持ちのまま書いた、今月の「女将のいる場所」@おとなの週末。経堂の蕎麦店「蕎堂 壮」の女将、中村ゆかりさん。女将ハンター・イカワ、我ながらいい仕事したと思います。あれは引っ越し途中。Googleマップでお蕎麦屋を探して入った、馴染みのない街の初めての店でした。だけど入った途端、気持ちがいい。お昼からちょっとビール飲んで、蕎麦前からお蕎麦へ。気づけばご近所の高齢夫婦も、教授っぽいおじさまも、家族連れも、女性ひとり客(私)も、みんな和やかな空気の...