2025.03.07 02:20うちの味/松浦弥太郎さん「12月号」から「春号」という号名になった、生まれ変わり後の初dancyu。「男子厨房に入る」という原点に立ち返りつつ、男子も女子も自宅で楽しめるレシピが満載。判型も大きくなって、お肉の迫力がすごいことになってます。私もこの新しい住所で、新しい連載を始めました。「うちの味」という連載タイトルです。自分が育った、うちだけかもしれない、「うちの味」を憶えていますか?家族のごはん担当者が、今日あるもので適当に作っていた十八番のおかずは、「いつもこれー」なんてブーブー言いながらも大好きだったりする、その人をつくる基本の味。だけど名もなきおかずは、食べた人の記憶がなくなれば消えてしまうものです。そういった極個人的な味の記憶と風景を、さまざまな人に思い出してもらう...
2025.02.28 02:26愛とは何か/秋田魁新報すっかりご報告を忘れていましたが、秋田魁新報のエッセイ「遠い風近い風」も継続中です。リレー連載なので、2ヶ月に1回くらいのペースで不定期に順番が回ってきます。私のエッセイは、新聞社に許可を得て、少し後にnoteで全文を掲載しています。古すぎる記事や、忘れてしまった記事はごめんなさい、なのですが。
2025.02.20 03:01「パ・ロワン」高山南美さん/女将のいる場所バレンタインデーに発売された『おとなの週末』。「女将のいる場所」連載史上初めて、1990年代生まれの女将が登場してくれました。高山南美さん。若いけれど頼もしく、頼もしいけど繊細な感性をもって、「パ・ロワン」の灯りになっています。この小さなスタンディング・ワインバーには、だから夜光虫のように大人たちが集まってくる。私もまた、彼女に救われているひとりです。取材の最中も、大事な言葉を普通の呼吸で語る南美さん。「女将のいる場所」は短歌のようにソリッドな世界を目指しているので、書けなかった言葉もあるのですが、ここで一つ私のお気に入りを。「絶対、解決できるはず!」本誌に書いた「どうしたらもっとよくなる? 自分には何ができる?」の直前に語られていたひと言です。私はけ...
2025.02.15 00:32J-WAVE 出演堀田茜さんがナビゲートする、SDGsがテーマのラジオ番組「ENEOS FOR OUR EARTH」に、2月15日(土)と22日(土)の2回連続で出演します(しました)。どちらも14時頃から。1回目の15日は、昨年、連載10周年で終了したdancyuの「東京で十年。」を取り上げてくださいました(涙)。その大トリとなった「ル・ブルギニオン」が愛される理由、続く店に大切なことを堀田さんと語ります。という真面目なテーマですが、私はカミカミ、あわあわです。すみません。ラジコのタイムフリーでどうぞ。https://t.co/xcwM6ngd1h 今週末の22日(土)は、ナガオカケンメイさん率いるD&DEPARTMENT PROJECTの会員誌『d−LONG...
2025.02.13 01:40中国茶とおかゆ 奥泉/僕らの新しいローカリズムDEAN&DELUCA「僕らの新しいローカリズム」北海道の美瑛・東川編の「中国茶とおかゆ 奥泉」がアップされました。「20〜25年くらい前、中国茶がブームになった時がありましたよね?」と奥泉さんがおっしゃって、記憶を辿ると、あったあった!こんな私でも原宿に中国茶を飲みに行って、小さ過ぎる急須にはしゃいだ時期がありました。忘れてしまった私や多くの人と違って、奥泉さんはどんどん深き中国茶の森に入り込んだのだなぁ。中国の山岳地帯まで行ってしまったのだから。深き森の奥に斎藤さんがいてよかった。斎藤さんのおかゆ、未体験ゾーンのテクスチャーに心底びっくりしました。このお茶にはこのおかゆ、ですね。#中国茶とおかゆ奥泉 #奥泉 #東川 #東川町 #僕らの新しい...
2025.02.12 08:37孤高の料理人/クオーコ・ジャポネーゼフリーマガジン『イタリア好き』、イタリア好きなお店に並んでおります。連載の「クオーコ・ジャポネーゼ」は、初のフィクションです。いつもは誰がモデルでもありませんが、今回ばかりは、後半から登場する「孤高の料理人」にはモデルがいます。たぶん、わかる人はすぐわかるかと。尊敬するシェフであり、リストランテでした。物語にあるスタンディングオベーションの渦、その中に私もいたんです。リストランテなのに、まるでライブのような歓喜と高揚、鳥肌が立ちました。野菜のスタンプで押した🍇と可愛らしい文字のメニューは、今でも宝物です。アーティスティックだったシェフのご冥福を、遠い日本からお祈りします。
2025.02.01 06:26下関・川棚温泉の瓦そば/月刊日本橋あの国民的人気ドラマ番組『逃げるは恥だ役に立つ』(TBS)で観てから、気になって仕方がなかった瓦そば。「瓦」と「そば」の唐突感。なぜ瓦?ビジュアルも想像できないうえ、「茶そばでなければならぬ」と主張する理由がわからない。しばらく頭の中にはびこっていたそれは、忘れた頃に現れた。山口県の日本酒蔵へ取材に行った時、蔵人が案内してくれたのだ。今回は、やっと会えた瓦そば。その、明治の西南戦争まで遡るルーツのお話です。
2025.01.14 06:23ヴレ/僕らの新しいローカリズム今月から、DEAN&DELUCA「僕らの新しいローカリズム」では北海道の美瑛・東川編が始まりました。移住する人だけでなく、東京のシェフたちも行ったり来たりしていると聞いて、とても気になっていた町。行ってみたら、おおらかな自然と、都市のカルチャーが混ざり合う町でした。人口8600人。ちなみに、アキ・カウリスマキが建てた映画館のある村が9000人。この規模感、ちょうどいいのかもしれない。第一弾は東川のレストラン「ヴレ」です。広島生まれの村上シェフが東川に惹かれた理由の一つは、政治家でもない人々が酒場で、「この町をどうしていくか」と話す光景に立ち会ったことでした。自分たちの町。小さな声も届く町。なんて風通しのいい町なんだろう。#ヴレ #東川 #東川町...
2025.01.11 01:54グリルエフ/つづく店のやさしさデザイナーのナガオカケンメイさん率いるD&DEPARTMENT PROJECTは、「ロングライフデザイン」をテーマに掲げた活動体。長くつづくデザイン、生活道具、場所、そしてお店などを研究し、いいものがいつまでも存在できるように、世の中に伝えつづけています。活動の一つが「ロングライフデザインの会」で、私はこの会員誌『d LONG LIFE DESIGN』のなかで「つづく店のやさしさ」というエッセイを連載をしています。第6回は五反田の洋食店、グリルエフ。〝受け継ぐ、変えない、守る。そういった決意を今、「思考停止」と呼ぶ人たちがいるけれど、変えないことは、実際にはとても難しい。〟(本文より)アグレッシブに「変えない」ための思考を働かせ、磨きつづけては...
2025.01.03 06:38「能登のこえ」を伝える料理/月刊日本橋石川県の能登へ、東京から日帰りで行けるんです。東京駅から北陸新幹線で金沢駅まで2時間半、そこからレンタカーで1時間。ゆっくりランチをして、帰れる移動時間です。なんとなく、今行ってもいいのだろうか?と考えていたけれど、それこそ風評被害。能登のお店の人たちは、むしろ来てほしいと願っていました。私が参加したのは、オーベルジュ「Villa della pace(ヴィラ デラ パーチェ)」で行われた『NOTO NO KOÉ (能登のこえ)vol.2』というイベント。オーナーシェフの平田明珠さん、能登に魅了された東京・銀座「エスキス」シェフのリオネル・ベカさん、能登で育った「ラトリエ ドゥ NOTO」シェフの池端隼也さん。3人のシェフたちが綴る能登の秋の味。東京に...
2024.12.17 08:27「オステリア ナカムラ」中村幸子さん/女将のいる場所連載「女将のいる場所」、今回は憧れの同世代マダム、「オステリア ナカムラ」の中村幸子さんです。スパッとしていて人情深く、働き者で息抜き上手。彼女をつくっているものはなんだろう、と思っていたら、大森克己さんの撮ったマダムのお顔に全部書いてありました。ぜひ誌面でどうぞ。
2024.12.16 07:18オカズデザイン/僕らの新しいローカリズム2024年最後の満月に、「僕らの新しいローカリズム」蒜山編の最終回が公開されました。東京と蒜山の2拠点生活を実践する、オカズデザインの吉岡秀治さん、知子さん夫妻。蒜山の森とともに在る日々はインプット、それを東京でみんなと共有する役割はアウトプット。お二人はそれを「呼吸」と表現しました。彼らと同時期に、家と工房を建て蒜山の人となったのは、陶芸家の堀 仁憲(かずのり)さん、金工作家のさかのゆきさん夫妻。蒜山に住むと決めたのは、蒜山耕藝へ遊びに行って、お風呂に入ったときでした。「飲んでも美味しい山の水を、全身に浴びたときの気持ちよさ!」もう、この言葉の説得力ったらない。たまりません。蒜山という、まあるい山に囲まれた不思議な土地に引き寄せられた人々を、6回にわ...